マザーボード修理 ~Dell Dimension 8300編~


今回のご依頼はDELLのDimension 8300になります。

依頼者様曰く「現在サブのPC(Dell Dimension 8300 XP)のCPU周りのコンデンサが液漏れや膨らんだ状態になってます。(中略) 今まではクーラーもかけない真夏の自室で予約録画を行ってきました。暑い室内温度以上の熱風を排気しながらPCが長時間稼働していたと想像できます。 」とのことで、将来の故障予防処置的にコンデンサの交換のご依頼をいただきました。

Dimension 8300といえば2003年発売のハイスペックマッスィ~ン。2002年11月に登場したHTテクノロジ搭載Pentium 4をいち早く採用するなど、その意気込みが伺える仕上がりです。

今回交換するコンデンサは下の写真の10カ所になります。

IMG_3044.jpg 元々のコンデンサは16V 1200μF×4本、6.3V 820μF×6本、その他に固体コンデンサが4本付いています。
ちなみに私が噂で聞いた話によると、このように固体コンデンサと非固体コンデンサをハイブリッドにして使う方法は消費電力が大きいHT搭載Pentium 4が出た当時のインテルのマザーボード設計ガイドライン推奨の方法であるらしく、この方法で設計を行うと、非固体コンデンサのほうが液漏れを起こしても固体コンデンサが死なない限りマザーボードは安定して動き続けるそうです。(あくまで某所で聞いた噂です) しかしながら、依頼者様も「起動や実使用ではまだ問題が発生していない」とおっしゃっていたため、噂は本当かもしれません。
IMG_3048.jpg取り外したコンデンサ。緑のコンデンサはまだ膨らんでいませんが、依頼者様の希望通りこちらもすべて交換。
IMG_3053.jpg交換に使用するコンデンサ

CPU電源一次側:サンヨーWG 16V 1800μF 10φ × 4本
元々のコンデンサは1200μFでしたが、若干容量をアップさせて電源のレギュレーション改善を図ってみました。

IMG_3082.jpgCPU電源2次側:ニチコンHZ 6.3V 1500μF 8φ × 6本
こちらは元々付いていたコンデンサがニチコンのHNとあって、それに倣い超低ESRのニチコンHZを使用。こちらも元々の容量が820μFだったところを1500μFに増強。電源のレギュレーション改善の他に、高温下での長期の使用における容量抜け対策が主な目的です。
IMG_3099.jpgコンデンサの交換を無事終えたところ。
IMG_3102.jpgこの後、マザーボードを依頼者様に返送し、動作確認をお願いしたところ

「先日コンデンサ交換をして頂いたマザーボードを組み込みWindowsXPの起動を確認しました。 
どうもありがとうございました。 これから先、安心してWindowsXPを使っていけそうです。 」

とのご報告をいただきました。