マザーボード修理 ~NEC VALUESTAR VT700/7D編~


 PC-9801ではないNEC機種の修理依頼はこれが初めてです。

 依頼者様によりますと、「NEC VALUESTAR VT700/7Dが頻繁にフリーズするようになり、ついには起動しなくなった。中を開けて調べてみると6本のコンデンサが膨らんで液漏れを起こしていた。」との事で交換のご依頼を頂きました。
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 早速マザーボードを調べてみますと、CPU周辺のコンデンサ12本には日本ケミコンのKZGシリーズが使用されており、4本が液漏れ&膨張を起こしておりました。今まで日本製のコンデンサで膨らんでいるものを見たのはニチコンの古い不良ロットだけだったのでこれは意外でした。ひょっとしてCPUの熱でやられたのかも、と予想。
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その他にチップセット周辺の「ルビコンMBZ」2本と「日本ケミコンKZG」1本が膨らみかけていたのでこれらもまとめて交換することにしました。

交換に使用したコンデンサ

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 また同時に膨らんでいないコンデンサでもダメになりそうな物(特にCPU周辺など)があったらそれも交換して欲しいとのご依頼も頂きましたので、膨らんでいる6本に加え、CPU周辺とチップセット周辺の9本のコンデンサを交換しました。

最終的に15本のコンデンサをすべてニチコンHZシリーズ(超低ESR品でマザーボードなどに使用されるコンデンサのハイグレードタイプ)に交換しマザーボードを返送しました。
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 その後依頼者様から「ご臨終のパソコンが生き返り何事もなかったかのように動いてます!」と動作報告を頂きました。

マザーボード修理 ~DELL Optiplex GX270 SFF編~


 今回は法人の方からのご依頼で、機種はDELLのOptiplex GX270SFFです。
それにしてもこの頃のDELLの機械は本当にコンデンサがよく膨らんでいますね・・・。

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交換に使用したコンデンサ


超低ESR電解コンデンサ UHZ0J 182M
ニチコンHZ 6.3V 1800μF 8Φ×20mm ×55本

今回はマザーボードが5枚もありますので、使うコンデンサの数もそれなりに多いです。
本当はHMシリーズを使用するつもりでしたが、HMシリーズで1800μFかつ8Φ×20mmの物が入手できませんでしたので、仕方なくHZシリーズを使いました。同サイズで容量が2200μFのHMシリーズは安い値段で入手可能だったのですが、依頼者様からHZを使って交換して欲しいとの連絡がありましたのでHZを購入しました。

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早速取り付けです。
マザーボード1枚につき11本のコンデンサを取り替えます。
全部で5枚ありましたので、かなり時間がかかりました。

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事故情報
 実はお送り頂いたマザーボード5枚のうち1枚、スルーホールのパターンを剥離させてしまった物があります。損害の対応を含め依頼者様に連絡をしたのですがまだ返信を頂いておりません。もしここを再びご覧になる事があれば改めて連絡をいただければ、と思います。
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マザーボード修理 ~ECS P4M890T-M2編~


 今回のご依頼は、「コンデンサの交換を試みようとしたが古いコンデンサの足がスルーホールに詰まってしまい手も足も出なくなった。続きをお願いできないだろうか」というご依頼でした。

 さっそく届いたマザーボードを確認してみると、確かにありました。スルーホールから足がヒョコっと出ています。通常こういう物はハンダごてで十分に熱してやり吸引器を使うことでスムーズに取れるのですが・・・うまくいきませんでした。詳しくは後述。

DSCF8313.jpg依頼者様より送られてきた物品に同梱されていた交換用のコンデンサです。

DSCF8315.jpg 実はそうとう手こずりました。これが通常のハンダなら足が詰まった場合でも吸引器で割とサクッと取れてしまうのですが、鉛フリーハンダが使われているこのマザーボードは本当に悪戦苦闘しました。というわけで、かろうじて片方のスルーホール内の足は吸引器で取り出せましたが、もう片方の足はスルーホール内に引っかかっているようで、ウンともスンとも言いませんでした。

 そこで、足を無事に取り除くことが出来たスルーホールには通常の方法で新しいコンデンサの足を通し、取り除く事が出来なかった部分に関してはハンダをスルーホールに十分溶かし込んだ上で足をスルーホール表面にハンダ付けし、半ば強制的な形で裏と表の導通を確保しました。
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 その後、依頼者様にマザーボードを返送し、動作確認をお願いしました。
なんと「無事起動しました」との報告をいただけました。
 しかし、起動したとはいえ、こういう不格好な形でしか修理を行えなかったのが非常に悔しいわけです。