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マザーボード修理 ~FIC VC-31 3枚目~


 今回のご依頼はFIC社のVC-31です。これで3枚目になります。
VC-31は主に拡張スロット周辺の小さなコンデンサが液漏れを起こすようなのですが、今回は依頼者様のご希望により膨張、液漏れを起こしていないCPU周辺のコンデンサも予防処置として新品のコンデンサに交換しました。

 交換するコンデンサは以下の23本になります。

緑:16V 1800μF 10φ 赤:6.3V 1500μF 8φ 水色:10V 1000μF 8φ

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 CPU周辺のコンデンサ。ここには高品質なサンヨー製コンデンサが使われており、固体・液体のハイブリッド構成となっております。このうち液体コンデンサに関しては、まだ問題を起こしていないものの製造時期や使用年数から考えて容量抜けなどの劣化がか考えられるため新品に交換します。

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VC-31で主に問題を起こすコンデンサは拡張スロットの付近にある小さいコンデンサです。

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また、メモリスロット付近にあるコンデンサも同様に液漏れを起こしています。

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交換に使用するコンデンサはいずれもサンヨーのWG。

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CPU周辺のコンデンサを交換。元々のコンデンサもサンヨーだったこともあり交換後の見た目も変わりません。

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問題のある拡張スロット周辺のコンデンサをさくっと交換します。
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最後にメモリスロット付近の2本の液漏れコンデンサを交換して完了です。
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取り外したコンデンサ。主に液漏れを起こしていたのは「S.I」と書かれた謎のメーカーのコンデンサでした。
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マザーボード修理 ~FIC VC-31L編~


 今回のご依頼はFIC社のVC-31Lのコンデンサ17本の交換のご依頼です。
依頼者様によりますと「愛用のパソコンが動かなくなり、分解して調べてみたところいくつかのコンデンサが液漏れ、膨張を起こしていたために交換をお願いしたい」とのことでご依頼をいただきました。

IMG_2798.jpg CPU周辺のコンデンサ。VRM一次側は信頼性の高いサンヨー製のコンデンサが使用されており、2次側はニチコンの液体コンデンサとサンヨーの固体コンデンサのハイブリッドという変則的な構成になっています。この部分で液漏れ、膨張を起こしている物はニチコンのコンデンサ6本。まずはここを交換対象とします。
IMG_2799.jpg 拡張スロットの付近に配置されているS.I社製のコンデンサ9本。うち2本が液漏れを起こしていますが、こちらも9本すべて交換対象とします。

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 電源コネクタ付近のS.I製のコンデンサ2本にも膨張が見られます。2本のうち膨張を起こしているのは1本のみですが、2本とも交換対象とします。

IMG_2803.jpg 取り外したコンデンサ。CPU周辺から取り外した6本のニチコン製コンデンサにはニチコンHDが使用されていました。通常CPUの周辺にはもっとESRが低いHMやHZ(過去にはHN等)を使うのが通常ですが、前述の通りこのマザーボードは固体コンデンサと液体コンデンサのハイブリッド構成ということで、おそらく固体コンデンサと液体コンデンサを並列に繋いでESRを下げるという構成にしたのだと思います。
IMG_2812.jpg交換に使用するコンデンサ

CPU周辺6本
ニチコン低ESRアルミ電解コンデンサ UHM0J152MPD6 6.3V 1500μF 8φ×20mm 6本

拡張スロット周辺9本
ニチコン低ESRアルミ電解コンデンサ UHM0J102MPD 6.3V 1000μF 8φ×15mm 9本

電源コネクタ付近2本
ニチコン低ESRアルミ電解コンデンサ UHM1C102MPD6 16V 1000μF 8φ×20mm 2本

すべてニチコンのHMシリーズを使用しました。

IMG_2807.jpg まずはCPU周辺の6本のコンデンサをすべて交換します。
IMG_2814.jpg 拡張スロット周辺の9本のコンデンサ。これらをすべてニチコンのHMに交換しました。
IMG_2815.jpg最後に電源コネクタ付近のコンデンサ2本も交換しました。
IMG_2817.jpg さらにこのマザーボードも以前修理したVAIOのマザーボード同様、チップセットのヒートシンクを留める留め金が脱落していましたので、余ったコンデンサのリード線を用いて自作しました。
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 この後マザーボードは依頼者様の元へと返送されました。現在動作確認の報告待ちです。