今回のご依頼はマウスコンピュータのデスクトップPCで、マザーボードにECSのGeForce6100SM-Mという物が使われているモデルです。
依頼者様曰く「XPのロゴマークの起動段階で電源が落ちてしまう症状が発生する、しかしソフトの資産等のためもうしばらくXPマシンを使い続けたい。」とのことでご依頼を頂きました。
ECSのGeForce6100SM-Mは2006年10月発売のマザーボードで、古いといえば古いのですがコンデンサが寿命を迎えるには少し早いかな、という気もしなくもない感じです。ところがマザーボードを実際に見てみて納得しました。
確かにCPU周辺のコンデンサを中心に膨張が見られ、問題のコンデンサは台湾OST社製のコンデンサが使われていました。これなら寿命が若干短くなってしまうのも納得できます。
交換するコンデンサは以下の12箇所です。膨張を起こしているのは赤枠のコンデンサ9本で、すべて台湾OST製です。緑の箇所は日本ケミコン製のコンデンサが使われており、膨張はまだ起こしておりませんでしたが、CPUの電源回路のコンデンサですので時期的にも交換したほうが良いと判断し、併せて交換対象としました。
しかしながら、大きな電力を消費するCPU側のVRM2次側コンデンサに1800μFのコンデンサを6本しか使わない、というのはすこし心細い気がします。OSTのコンデンサは負荷がかかるとすぐに液漏れを起こしてしまう事で有名ですから、このマザーボードで液漏れを起こしたのもその辺も関係しているのではないかと見ています。
取り外したコンデンサ。派手な液漏れは見られませんでしたが微妙に膨張していました。
交換に使用するコンデンサ。すべてサンヨー(現SUNCON)製のWGシリーズです。
まずはじめにCPU周辺の9本のコンデンサを交換しました。鉛フリーハンダを用いたマザーボードでしたので、作業が難航するかと思いましたがあっさりと交換できました。
続いてPCI Expressスロット付近のコンデンサ2箇所の交換です。
それでは、動作確認を行います。
コンデンサの交換前にはここで電源が落ちていたとされるXP起動画面。コンデンサ交換後は電源が落ちる事もなくなりました。
無事にログイン画面まで到着しました。
この後何度か起動試験を繰り返しましたがいずれも問題が発生することなく起動に成功しました。
今回のご依頼は本体ごとの送付でしたのでマザーボードを筐体に組み込み、再組み立てを行います。
この後パソコン本体は依頼者様の元へと返送されました。
今回はコンデンサ交換のご依頼を頂き、ありがとうございました。