マザーボード修理 ~DELL OptiplexGX260 4台目~


 今回のご依頼は、またまたDELLのOptiplexGX260です。これで4台目です。本当に多いですね(汗
依頼主様によりますと、「OptiplexGX260が不調になりコンデンサの交換を試みたが、いざ、ハンダを溶かしてコンデンサを外そうと試みましたが、ハンダが溶かせず…。」とのことでご依頼をいただきました。

というわけで、早速マザーボードを見てみると・・・・毎度おなじみの箇所のコンデンサがダメダメになってますね・・・。
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さらに忘れてはいけないのがメモリスロットの上についているニチコンHM。これもこの機種では膨らむコンデンサの定番になっております。
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取り外したコンデンサ。製造時期を見てみますと、2002年の49週とのこと。なんだかんだで8年間使えていたって事になりますな。
DSCF8987.jpg交換に使用したコンデンサ

ルビコン 超低ESR小型アルミ電解コンデンサ 6.3MCZ2200M
6.3V 2200μF 10Φ×20mm 11本
今回は依頼者様がこのブログの過去の修理事例を参考に、コンデンサをあらかじめご用意して下さっていたので交換作業がスムーズに進みました。
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それでは早速交換です。
まずはCPU周辺のコンデンサをサクっと取り替えます。実際は時間がかかるのでサクっとはいきませんが・・・。
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次にメモリスロット付近のコンデンサも替えます。
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今回は部品をあらかじめ用意して頂いていたという事もあり、マザーボード到着後すぐに交換作業を行い返送する事ができました。

その後依頼者様から

ありがとうございます!!!!!見事立ち上がりました!!!!
あんなにフリーズを繰り返していたのに、もうまったく問題ない感じです。
無事、ウインドウズの再インストールをすることが出来ました。

とのご報告を頂きました。
これにて一件落着です。

マザーボード修理 ~GIGABYTE K8NS Ultra 939編~


今回は自分自身の所有するマザーボードのコンデンサ交換記録です。

このマザーボードは2004年の10月に発売になったマザーボードですのでかなり古い部類に入ると思います。
自分は2005年の頭ぐらいに購入し現在まで使用していました。

他の依頼者様から送られてくるマザーボードのように「突然電源が落ちる」、「起動しない」といった症状は全くなく、むしろ5年間ほぼノートラブルで稼働しておりましたが、そろそろ時期的にもコンデンサを交換する時期かもしれない、と思っていました。

そして最近点検のつもりで内部を開けてみると案の定コンデンサの膨らみを発見したので症状が悪くならないうちにコンデンサを交換してしまう事にしたわけです。

気になっていた点といえば、数年前から負荷が掛かった時にコイルから音がする所謂「コイル鳴き」という現象に悩まされていた位でしょうか。

前述の通り、このマザーボードはおよそ5年前に購入し、以来サーバー兼開発マシンとして5年間電源を入れっぱなしで稼働させていたマザーボードであるため、かなり過酷な条件で稼働しつづけていたと思われます。ですから、数カ所のコンデンサが膨らんでいたとはいえ、まだノートラブルで稼働していた事には正直驚きを隠し得ません。

しかしながら故障したコンデンサを放置しておくと本来複数のコンデンサに分散されるべき負荷が分散されなくなり、他のコンデンサも次々と故障する事が予想されますし、そうなるとマザーボードの他の部品に負荷がかかり故障してしまうという可能性も否定できないため、コンデンサの膨らみは発見した時点でさっさと交換してしまうが吉だと思われます。

さて、これが実際に取り外したマザーボードです。
膨らんでいたコンデンサは3ヶ所なのですが、実際には周辺のコンデンサもおそらく寿命が近づいていると思われるため、膨らんでいないコンデンサもまとめて交換することにしました。
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 画像中、赤い丸で囲んだコンデンサが膨張を起こしていたコンデンサ、緑の枠で囲んだコンデンサは膨張は起こしていなかったものの、いずれ近いうちに膨張することが予想されるため同時に交換する予定のコンデンサです。

 まずはCPU周辺の7本のコンデンサ。一見正常に見えますがよく見ると一番上のコンデンサの頭頂部がふくらみかけています。この状態ですでにコンデンサの性能が大幅に低下しているため、本来なら7本のコンデンサで負荷を分散されるべきものが6本に偏ることになり、つまるところ残りの6本のコンデンサの劣化を早めることになります。ちなみにここに使用されていたコンデンサは2004年41週製造のブツで、CPUの傍の高温下で黙々と働き続けていたために時期的にもそろそろ寿命を迎えてもおかしくはないと思われます。

DSCF8878.jpg 電源部(VRM周辺)のコンデンサ。ここにはサンヨーWGが6本使われておりました。膨張、液漏れは一切起こしておりませんでしたが、ここもパワーMOSFETやチョークコイルの発熱で高温になる部位ですので、寿命を考えて交換する事にしました。ちなみにサンヨーのコンデンサは高信頼と評価されているようです。確かにこの部分もかなり負荷がかかる部分ではありますが膨らんでいません。

DSCF8879.jpgメモリスロット付近のコンデンサ。明らかに膨らんで、少しだけ漏れています。
この一本を交換したところで付近のコンデンサも次々とやられる予感がしますので周辺のコンデンサも交換することにしました。

DSCF8880.jpgチップセット付近のコンデンサ。このコンデンサは膨らんでいませんでしたが、ヒートシンクの熱気(かなり熱い)に長期間曝されていたため劣化が進んでいる事が予想されるので交換対象に指定しました。

DSCF8884.jpgということで、早速交換するコンデンサをマザーボードから取り外しました。これだけ数が多いとなかなか大変でした。

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交換に使用したコンデンサ

電源部(VRM周辺)のコンデンサ
ルビコン 超低ESR小型アルミ電解コンデンサ (ルビコンMCZ) 16V 1000μF 16MCZ1000M Φ10×16mm × 6本

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CPU周辺のコンデンサ
ルビコン 超低ESR小型アルミ電解コンデンサ (ルビコンMCZ)  6.3V 3300μF 6.3MCZ3300M Φ10×25mm × 7本

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メモリスロット付近のコンデンサ
ニチコン 低ESR電解コンデンサ (ニチコンHM)  6.3V 1000μF UHM0J102MPD Φ8×15mm × 4本

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チップセット付近のコンデンサ
SANYO低ESR電解コンデンサ  (サンヨーWG) 10V 1000μF Φ8×15mm × 1本

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というわけで今回は合計18本のコンデンサを交換し、大変面倒でした。

その後マザーボードの再組み込みを行い動作確認を行ったところ無事起動を確認しました。
さらに、コンデンサを交換する前はVRMのコンデンサの発熱が尋常ではありませんでしたが、なんと交換後には「生ぬるい」という程度まで発熱が低減しました。電源部のコンデンサはふくらみや液漏れなどが見られなかったものの、さすがに5年も連続稼働しているとそれなりの劣化はしていた模様です。

ちなみにコイル鳴きはコンデンサを交換しても改善されませんでした。