「Dimension 4500c」タグアーカイブ

マザーボード修理 ~DELL Dimension 4500c 4台目~


 今回のご依頼は、毎度お馴染みDELLのDimension 4500cです。

 依頼者様曰く、「パソコンの動作が極めて不安定で、1時間に1回の割合で勝手に電源が落ち再起動されるため、中を調べてみたところ十数本のコンデンサが液漏れを起こしていた。自分で交換に挑戦したが失敗してしまいさらに不安定になってしまったため改めて交換をお願いしたい」とのことでご依頼を頂きました。

交換するコンデンサは以下の19箇所になります。

赤:6.3V 1500μF φ8(諸事情により2200μFに交換) 緑:6.3V 3300μF φ10 紫:16V 1800μF φ10 水色:6.3V 1500μF φ8 黄色:6.3V 1000μF φ8
IMGP0959.jpg さて、依頼者様がどのように交換が失敗したのか、こちらで調べてみました。すると次の写真のように玉ハンダができており、さらに加熱しすぎたためかスルーホールが破損していまったような痕跡が見られました。

 CPU周辺の電源用コンデンサ1500μF 11本のうち、3本がうまく接続されていないようです。

IMGP0965.jpg

 そこで改めて依頼者様と連絡を取り、1500μFのコンデンサを2200μFに変更し、生きているスルーホールだけでなんとか必要な容量を賄ってみる、という案を提案させて頂きました。快くOKを頂き、コンデンサの交換を行うことになりました。
ところが!
いざ交換に失敗したコンデンサを取り外し、基盤を洗浄してみると、なんとスルーホールは壊れていませんでした!
IMGP0970.jpg
 そこで、当初の計画では2200μFのコンデンサを8本取り付ける予定でしたが、スルーホールが生きていたため11本の取り付けへと変更しました。もともとのDimension 4500cの構成よりも容量アップです。
 というわけで、CPU周辺の1500μF 11本を2200μF 11本(ニチコンHM)へと交換しました。なおいつもならサンヨーのWGを利用するのですが、今回は諸般の事情により2200μFのサンヨーのWGが入手できませんでしたのでニチコンHMを利用しました。
IMGP0977.jpg
 CPU電源1次側(入力側)の16V 1800μF 3本は元々日本ケミコンのKZGが取り付けられていました。こちらのコンデンサは膨張を起こしていませんでしたが、日本のコンデンサにもかかわらず何かと液漏れを起こしやすいKZGということと、使用年数を考えて相当劣化していると思われたため、ルビコンのMCZへと交換、さらにCPU脇の6.3V 3300μFはサンヨーWGへと交換しました。
IMGP0978.jpg
 メモリスロット側の6.3V 3300μFをサンヨーのWGへ、6.3V 1000μFをルビコンMCZへ、6.3V 1500μF×2本をニチコンHMへそれぞれ交換。
IMGP0979.jpg
半田付けの仕上がりはこんな感じです。
IMGP0972.jpg 今回は、様々なメーカのコンデンサを用いましたが、在庫の問題で部品の入手が納期内に困難であったためであり、すべてサンヨーのWGを用いても問題ありません。
 さて、コンデンサを交換したマザーボードは依頼者様の元へと返送されました。
依頼者様に動作確認をお願いしたところ、次のようなご報告を頂きました。
無事に起動でき、修理前に発生していた「突然電源が落ちて再起動になる」といった現象も発生しなくなりました。
かげさまで完全に復活できたようです。
本当に助かりました。ありがとうございました。


マザーボード修理 ~DELL Dimension 4500c(3台目)~


 今回のご依頼はこれまたお馴染みの機種、DELLのDimension 4500cになります。これで3台目です。
が、今回はいつもよりコンデンサの交換本数が多い上、一筋縄ではいきませんでした。

 依頼者様によりますと「2002年購入のDELL4500Cの立ち上がりが著しく悪くなり、中を開けたところ10数本のコンデンサが液漏れしているのを発見し、メールさせていただきました。」とのことでご依頼を頂きました。

 最近になって気づいたのですが私のところへご依頼を頂くDELLの機種は圧倒的に2002年~2003年発売の機種が多く、最初は当時問題になった電解液の過剰注入による不良コンデンサ問題が原因であると思っていたのですが、どうやらそれだけではないようです。

 この問題は主にニチコンの「HN」で起こっているのに対し、私のところへ送られてくるマザーボードはコンデンサのグレード問わず膨張や液漏れを起こしている為、単に不良コンデンサ問題だけが原因であるとは言いづらく、2002年という発売時期からみてもやはりコンデンサの寿命による物も大きいのではないか、というのが最近の私の意見です。

 さて、今回の場合、過去に修理した同機種と比較して今回はコンデンサの交換本数が19本と多く、さらに液漏れの度合いも重傷でした。次に、コンデンサをすべて交換したもの、不安定な起動はマザーボードのコンデンサ以外からも引き起こされていました。

交換するコンデンサは以下の19ヶ所になります。

赤 6.3V 2200μF 10φ 緑 16V 1800μF 10φ
青 6.3V 1800μF 8φ 紫 6.3V 820μF 8φ

IMG_3799.jpg

 やはり、CPU周辺のコンデンサは大きなリップル電流が流れ負荷がかかるためか、派手な液漏れを起こしています。
さらによく見てみますと背が若干高いコンデンサ2本(LITEONと書かれた基板のすぐ横にある2本)のコンデンサも微妙に膨張を起こしています。いままで依頼を受けたこの機種ではこの部位のコンデンサが膨らんでいるのは見たことがありませんでした。
IMG_3801.jpg

さらに、今まで修理を引き受けたDimension 4500cでは見られなかった箇所。ここのコンデンサからも液漏れが。
IMG_3802.jpg

チップセットとメモリスロットの間の細いコンデンサも膨らんでいます。

IMG_3803.jpg

DELLの機種では高確率でCPUスロットとメモリスロットの間にある2本のコンデンサ。やはりここも。

IMG_3804.jpg

交換に使用するコンデンサ

すべてサンヨー(現SUNCON)のWGシリーズです。ESRや最大リップル電流等はニチコンのHMとほぼ同等です。
今まではニチコンのHMやルビコンのMCZ等を場所によって使い分けていましたが、サンヨーブランドのコンデンサが品質的にも評判がとても良い事、また、従来よりもコンデンサを安価に入手できるルートを確保できた事から、例外が無い限りサンヨーのコンデンサを用いることにしました。

IMG_3808.jpg

 まずは液漏れがかなりひどかったCPU周辺のピカピカのサンヨーコンデンサに換装。
やっぱりいつ見ても新品コンデンサの輝きは良いなぁ・・・。

IMG_3811.jpg

メモリスロット付近のコンデンサも、液漏れしていない部位も含めて新品に交換。

IMG_3812.jpg

IMG_3813.jpg

IMG_3814.jpg

さて、すべてのコンデンサの交換が完了し、再び組み立てた後動作確認を行ったのですが・・・。
・・・電源は入る物のBIOS画面が出てこない。

・・・しばらく待って再び電源を入れてみると・・・BIOS画面が出た後、Windowsの起動途中でブルースクリーンが!

 後に、本体がある程度暖まると起動に成功するが、部屋が寒いと全く起動しないという事実に気づきました。
「これは、電源のコンデンサも死んでいるかも」

 早速依頼者様に改めて連絡を取り、追加で電源ユニットの発注を行って交換しても良いかどうかを問い合わせたところ快くOKサインがでましたので、早速電源ユニットを取り寄せ交換を行いました。

 ちなみにこの画像は取り外した古い電源ユニットになります。

IMG_4149.jpg

電源ユニットを換装し、改めて電源をON。
・・・なんと一発で起動しやがりました。念のため部屋の温度が氷点下を下回る深夜に再びテストを行いましたがバッチリ合格。

IMG_3824.jpg

 続いて、Windowsの起動テスト。
なんと電源ボックス換装前よりも起動時間がかなり早くなりました。実は以前他のパソコンのコンデンサを交換した際に、依頼者様から「Windowsの起動がかなり早くなった」とのご報告を頂いたことがあるのですが、その時は「でもなんでコンデンサを替えたぐらいでWindowsの起動が早くなるのだろう・・・」と半信半疑でしたが、実際に目の当たりにすると驚きを隠し得ません。

IMG_3818.jpg

 取り外したコンデンサの残骸です。
2002年製造で、寿命を迎えてもおかしくはない時期でした。

IMG_3828.jpg

その後依頼者様にパソコン本体を返送し、以下の動作報告をいただきました。

「問題なく起動、安定していることを確認いたしました。まだまだ私用のメイン機として、その後もXP機として、できる限り利用し続けていきたいと思います。」 

マザーボード修理 ~DELL Dimension 4500c(2台目)編~


 今回のご依頼は、DELLのDimension 4500Cです。Dimension 4500Cはこれで2台目になります。

 依頼者様によりますと、「現在は新しいパソコンで64ビット版のWindows 7を利用しているのですが、今まで古いパソコン(Dimension 4500C)で使えていたソフトやハードが新しいパソコンでは使えなくなって大変困っています。Dimension 4500Cも性能的にもまだまだ使えるので時期的にも寿命を迎えそうなコンデンサの交換をお願いしたい」とのことでご依頼を頂きました。

 よくわかります。古いソフトやハードが新しいパソコンで使えないこのつらさ。
実は私も未だにWindows Server 2003(内部的にはXPのような物です)を愛用しています。もちろん最新のWindows 7のほうが何かと快適だったり便利だったりすると思うのですが、私の場合Adobe GoLiveとVisual Studio 2005がWindows 7でまともに動くかどうか危ういという理由でWindows 7に移行できません。さらに私は未だにPower Mac G4も愛用しています。こちらは音楽の制作に使っているのですが、Digital Performer 3とプラグインがMac OS Xに対応していないため、泣く泣くMac OS 9を使い続けています。

 閑話休題。
早速マザーボードを見てみます。
交換するコンデンサは赤枠で囲まれた部分のコンデンサで、まだ膨らんだり液が漏れたりはしていません。ところがいずれも負荷がかかりやすく、さらにCPUの高熱に晒されたりと、何かとハンデを背負っている部分です。依頼者様のご依頼通り寿命が来そうなコンデンサはすべて交換します。
IMG_2641.jpg

 CPU周辺のコンデンサ。このコンデンサのうちルビコンのMBZを11本交換します。
この画像を見て気づいたのですが、以前Dimension 4500cの修理をした時と比べてコンデンサが一回り小さい・・・・。以前修理したときは10φのコンデンサだったのですが、今回は8φです。ひょっとして同じ機種だけどいくつか違うバージョンのマザーボードがあるのでしょうか?
IMG_2642.jpg

 同じく負荷がかかりやすいメモリスロット付近の2本のコンデンサ(こちらもルビコンMBZ)を交換します。
IMG_2643.jpg

 取り外したコンデンサ。2003年製造のルビコンMBZ。7年経過した今でも膨張せずに持ちこたえていたようです。(以前Dimension 4500Cを修理したときは、ニチコンHMが膨らんでいました)
 IMG_2659.jpg

交換に使用するコンデンサ
ニチコン 低ESR 電解コンデンサ HMシリーズ UHM0J152MPD6
6.3V 1500μF 8φ×20mm  13本
ニチコンHMは元々付いていたルビコンのMBZより若干ESRが低いのでちょっとだけ高性能化が期待できます。
IMG_2644.jpg

 さっそくCPU付近の11本をサクっと交換します。
IMG_2649.jpg

 次にメモリスロット付近の2本もサクッと交換します。
IMG_2650.jpg

 さて、もう一つ依頼者様からこんなご依頼が。「マザーボードのバッテリバックアップ電池が切れているので、交換をお願いしたいのですが」
 というわけでリチウム電池も交換しますた。
IMG_2654.jpg

 いよいよ動作確認です。
動作確認用のディスプレイを繋ぎ、スイッチオン!
IMG_2656.jpg

動きました!
やっぱり、この瞬間はいつでもうれしいものですね。

早速パソコンをクロネコヤマトまで持って行きます。

マザーボード修理 ~Dell Dimension 4500c編~


 あまり知られていない事なのですが、当方ではソフトウェアの開発の他にマザーボードやビデオカードのコンデンサの交換サービスを行っています。(くわしくはこちら

 今月8月5日の事ですが、「Dell Dimension 4500cにおいて、Windows XPの動作中に何度も再起動を繰り返す。ケーブルや電源、メモリ類の交換を試みたが改善されず、その後Windows XPの再インストールを試みるもセットアップ中に何度もフリーズ、マザーボードのコンデンサが膨らんでいる事を発見したため交換を依頼」との旨の問い合わせを頂き、何度か連絡を取り合った後、コンデンサの交換をこちらで行うことになりました。

早速マザーボードと交換用の新品のコンデンサを送って頂きこちらで交換を実施しました。

dell_dimension4500c_before.jpg
これが交換前のコンデンサになります。ご覧の通り頭が膨らんでいます。なお依頼者様はマザーボードをこちらに送ってくださる前に故障したコンデンサにマジックで印を付けて下さいましたので、スムーズに作業が進みました。

dell_dimension4500c_after.jpg
そしてこちらがコンデンサを全て交換した後のマザーボードです。その後依頼者様から「以前のような症状は全く見られず至って快調」との報告を頂き、無事修理が完了しました。

 なお、部品は依頼者様があらかじめご自身で用意されていたので、往復の送料+技術料2000円のみ負担して頂きました。

 この様に、一見高額な修理費用がかかってしまうように見えるマザーボードの故障でも実際はコンデンサの交換だけで直ってしまう場合があります。とくに現在ではWindows XPの需要がまだまだあるにもかかわらず、対応したマザーボードやビデオカードは市場から徐々に姿を消しつつあります。(最近のビデオカードはWindows XP上で2Dアクセラレーションが効きません)

 そういった古いマザーボードやビデオカードを復活させたい方は是非ご連絡ください。