今回のエントリは、「Tube MPのコンデンサがとうとう寿命を迎えたらしい。」に引き続き、またまたコンデンサ絡みの話題です。
事の発端
昨夜のことになるのですが、いつものように寝転がりながらWikipediaをダラダラと読みつつ、いつ披露するかもわからない雑学を蓄えてた時の事です。画面突然が真っ暗になったかと思うとしばらくしてから復活するという現象が繰り返し発生しました。イメージ的にはビデオカードが勝手に再起動を繰り返す感じでした。しばらくすると、今度はマウスカーソルを動かすたびに非常にサイケデリックな画面が表示されるようになり、最終的に画面が写らなくなりました。
私は思いました。「またコンデンサか……」と。
そうです。コンデンサが死亡したときの典型的な症状の一つです。
そこでコンピュータの電源を落としビデオカードを取り外してみたところ……
6個あるうち、5個のコンデンサが見事に吹いてます(汗)
防爆弁を突き破って茶色い毛のようなものがモジャモジャと……
電子回路において、「ひでぶ!」とか「あべし!」という言葉がまさに似合う光景。
いつこうなったかはわかりませんが、それでもこの状態で今まで普通に動いていたのだから恐ろしい。(画面にゆらゆら揺れるようなノイズが走るなどの兆候はあったのですが)
できるだけ早い復旧を望んだ
さらに、このコンピュータは私の開発環境一式がインストールされている開発用マシンでもあり、当然Jugglampその他の開発にも使われているマシンであり、slotwareをホスティングしているサーバーでもあります。つまり、サーバーとして働いてもらっている以上、よほどのことが無い限り電源を落とすわけにはいかないのです。
しかしながら、コンデンサの破損を確認したのが午後10時、PCパーツショップは当然閉店ですから、新しいビデオカードを買いに走るということはできません。交換用のコンデンサを注文したとしても届くのは2,3日後。とはいえ、サーバーマシンですからできるだけ早く復旧させたいところ。
とりあえず、部屋にある物はなんでも使ってみる
と、その時です。以前にもコンデンサが膨らんで壊れたビデオカードがあって、それがまだ部屋のどこかに保管されていることを思い出しました。たしかそのビデオカードの壊れたコンデンサは2個。なんとかなりそうだ・・・と考えていたところ、「TUBE-MPから取り外した3個のコンデンサのうち、頭が膨らんでいない2個をとりあえず使ってみる作戦」に出ることを決行。
近くにチョークコイルやレギュレータがあるので電源平滑用のコンデンサと見て間違いないはず。つまりある程度容量が大きければなんとか動くだろう、と仮定し取り付けてみた。
実際の修理
まずは古いビデオカードから膨らんだ2個のコンデンサを取り外し、TUBE MPから取り外したコンデンサのうち一つを付けてみた。一番大きいのが無理矢理取り付けたブツ。
一個目のコンデンサが大きすぎるため、この時点で基板に2個目のコンデンサを取り付けるスペースが無くなったため、2個目は裏に無理矢理付けた(汗) 多層基板だからできた裏技。
で、最終的に上記の方法で無理矢理修理したビデオカードをコンピュータに取り付けてみたところ。
もしこれがうまく行けば、電源を入れれば画面が正常に表示されるはず。
そうなることを願いながら、電源を入れてみると……
写りました!
そして、以前から気になっていたユラユラと揺れるようなノイズもまったく無く、至って順調に動いています。(何よりいまこの記事を書けているのがその証拠です)
注意すべき点は……
しかし、注意すべき点があります。
まず、この対処は一時凌ぎに過ぎないということです。なぜかと申しますと、ビデオカードやCPUの電源周りに使われるコンデンサは低ESR品を使う事が鉄則であり、さもなくば最悪の場合、許容リップル電流をオーバーした場合に、再び破裂する可能性もなきにしもあらず、なわけです。
オーディオ機器から取り外したコンデンサがかろうじて使えているとはいえ、実際には想定外の負荷がかかっているかもしれません。
とりあえず画面が安定して表示されるようになったことは大きな前進ですので、近日中に再び
三栄電波にて低ESR品のコンデンサを注文し、新旧両方のビデオカードを修理する予定です。
私はMOTTAINAI精神を大切にしています。
近代の日本人に失われつつあるMOTTAINAI精神。
壊れたら新しい物に買い換える。それが現代の主流になってしまいましたが、壊れた物を修理し、それが再び動き出したときの感動はすばらしいものです。
私はこの精神を今後も大切にしていこうと思います。