マザーボード修理 ~DELL Optiplex GX260 7台目~


 今回のご依頼もDELLのOptiplex GX260です。当サービスでは定番の機種になっています。

 今回は、当サービスを過去に何度も利用して下さっている企業ユーザーでリピーターの方からのご依頼です。(その方からのご依頼はこれで6台目になり、いずれも業務で現役稼働中のGX260とのことです。)

 Optiplex GX260では毎度お馴染みの箇所+αを交換します。

赤枠:6.3V 2200μF 10φ
緑枠:10V 680μF 8φ

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 さて、この機種の場合毎度の事ですがCPU周りのコンデンサがまずものすごい液漏れを起こします。
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 さらにメモリスロット付近の1本もこの機種では液漏れを起こす定番のコンデンサとなっております。
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 そしてもう一箇所、今まではこのコンデンサが液漏れを起こしているのを見たことが無かったのですが実は前回この機種の修理を行ったときに偶然液漏れを発見しましたので、今後はこのコンデンサも定番リスト入りに決定しました。
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 取り外したコンデンサ。ニチコンのコンデンサの場合はH0239等の数字が印刷されているのですが、これが製造日を表しています。この場合2002年39週目に製造された、という意味です。8年間お疲れ様でした・・・
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交換に使用するコンデンサ
CPU周辺10本、及びメモリスロット付近の1本
ルビコン 超低ESR小型アルミ電解コンデンサ 6.3V 2200μF 6.3MCZ2200M 10φ×20mm ×11本
12V電源コネクタ付近の1本
ニチコン 超低ESR小型アルミ電解コンデンサ 16V 680μF UHZ1C681MPM3 8φ×20mm ×1本
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 CPU周辺の11本を交換したところです。元々付いていたニチコンHMと今回交換したルビコンのMCZは若干ではありますがESRがHMより低く、許容リップル電流はHMよりも大きいです。従ってほんのわずかではありますがスペックに余裕があり、高性能です。

コンデンサ種別 ESR 許容リップル電流
HM 6.3V 2200μF 13mΩ 2550mA (rms)
MCZ 6.3V 2200μF 11mΩ 2770mA (rms)

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 メモリスロット付近のコンデンサも同様に交換します。
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 最後に12V電源コネクタ付近の1本を交換して完了です。
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 コンデンサ交換後、パソコンを組み直し電源をいれると無事にBIOSが起動しました。
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 待つこと数秒、HDDのアクセスも始まり、無事にWindowsも起動しました。この後数時間電源を入れっぱなしにしてコンデンサのエージングを行うと同時に、急に電源が落ちたりしないかどうかを念のため検査します。
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 この後このパソコンは依頼者様の元へ返送され、「問題なく動作しております 」とのご報告を頂きました。

マザーボード修理 ~FIC VC-31L編~


 今回のご依頼はFIC社のVC-31Lのコンデンサ17本の交換のご依頼です。
依頼者様によりますと「愛用のパソコンが動かなくなり、分解して調べてみたところいくつかのコンデンサが液漏れ、膨張を起こしていたために交換をお願いしたい」とのことでご依頼をいただきました。

IMG_2798.jpg CPU周辺のコンデンサ。VRM一次側は信頼性の高いサンヨー製のコンデンサが使用されており、2次側はニチコンの液体コンデンサとサンヨーの固体コンデンサのハイブリッドという変則的な構成になっています。この部分で液漏れ、膨張を起こしている物はニチコンのコンデンサ6本。まずはここを交換対象とします。
IMG_2799.jpg 拡張スロットの付近に配置されているS.I社製のコンデンサ9本。うち2本が液漏れを起こしていますが、こちらも9本すべて交換対象とします。

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 電源コネクタ付近のS.I製のコンデンサ2本にも膨張が見られます。2本のうち膨張を起こしているのは1本のみですが、2本とも交換対象とします。

IMG_2803.jpg 取り外したコンデンサ。CPU周辺から取り外した6本のニチコン製コンデンサにはニチコンHDが使用されていました。通常CPUの周辺にはもっとESRが低いHMやHZ(過去にはHN等)を使うのが通常ですが、前述の通りこのマザーボードは固体コンデンサと液体コンデンサのハイブリッド構成ということで、おそらく固体コンデンサと液体コンデンサを並列に繋いでESRを下げるという構成にしたのだと思います。
IMG_2812.jpg交換に使用するコンデンサ

CPU周辺6本
ニチコン低ESRアルミ電解コンデンサ UHM0J152MPD6 6.3V 1500μF 8φ×20mm 6本

拡張スロット周辺9本
ニチコン低ESRアルミ電解コンデンサ UHM0J102MPD 6.3V 1000μF 8φ×15mm 9本

電源コネクタ付近2本
ニチコン低ESRアルミ電解コンデンサ UHM1C102MPD6 16V 1000μF 8φ×20mm 2本

すべてニチコンのHMシリーズを使用しました。

IMG_2807.jpg まずはCPU周辺の6本のコンデンサをすべて交換します。
IMG_2814.jpg 拡張スロット周辺の9本のコンデンサ。これらをすべてニチコンのHMに交換しました。
IMG_2815.jpg最後に電源コネクタ付近のコンデンサ2本も交換しました。
IMG_2817.jpg さらにこのマザーボードも以前修理したVAIOのマザーボード同様、チップセットのヒートシンクを留める留め金が脱落していましたので、余ったコンデンサのリード線を用いて自作しました。
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 この後マザーボードは依頼者様の元へと返送されました。現在動作確認の報告待ちです。

マザーボード修理 ~ASUS P4P800-JAY編~


 今回のご依頼は、ASUSTekのP4P800-JAYのコンデンサ13本の交換のご依頼です。
依頼者様によりますと、「使用中に、突然の画面停止が10回ほど続き、翌日BIOS起動しなくなりました。コンデンサが原因の故障かどうかは定かではないが、台湾OST製のコンデンサ10本ほどが微妙な膨張を起こしているため交換して欲しい」とのことでご依頼を頂きました。

 交換するコンデンサは下の図のコンデンサ13本、いずれも台湾OST製のコンデンサです。
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 13本のコンデンサのうちの一つ。確かに膨張していると言われればそう見えるのですが、派手に膨らんでいるわけではないので判断が難しいですね・・・。で、不安になってググってみるとどうもOSTのコンデンサは派手な膨らみ方をしないらしいです。(参考リンク
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 取り外したコンデンサ13本。どれも液漏れを起こしていないのですが、このマザーボードが2003年発売の製品であることを考えると寿命を迎えている可能性はあるかもしれませんね。
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交換に使用するコンデンサ
ニチコン低ESR電解コンデンサ HMシリーズ UHM0J102MPD
6.3V 1000μF 8φ×15mm 13本
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 無事交換を終えたコンデンサ。ちなみにマザーボードのコンデンサを交換するときには「両面プリント基板用共晶ハンダ」という物を使っています。
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 この後マザーボードは依頼者様の元へ返送されます。

マザーボード修理 ~DELL Dimension 4500c(2台目)編~


 今回のご依頼は、DELLのDimension 4500Cです。Dimension 4500Cはこれで2台目になります。

 依頼者様によりますと、「現在は新しいパソコンで64ビット版のWindows 7を利用しているのですが、今まで古いパソコン(Dimension 4500C)で使えていたソフトやハードが新しいパソコンでは使えなくなって大変困っています。Dimension 4500Cも性能的にもまだまだ使えるので時期的にも寿命を迎えそうなコンデンサの交換をお願いしたい」とのことでご依頼を頂きました。

 よくわかります。古いソフトやハードが新しいパソコンで使えないこのつらさ。
実は私も未だにWindows Server 2003(内部的にはXPのような物です)を愛用しています。もちろん最新のWindows 7のほうが何かと快適だったり便利だったりすると思うのですが、私の場合Adobe GoLiveとVisual Studio 2005がWindows 7でまともに動くかどうか危ういという理由でWindows 7に移行できません。さらに私は未だにPower Mac G4も愛用しています。こちらは音楽の制作に使っているのですが、Digital Performer 3とプラグインがMac OS Xに対応していないため、泣く泣くMac OS 9を使い続けています。

 閑話休題。
早速マザーボードを見てみます。
交換するコンデンサは赤枠で囲まれた部分のコンデンサで、まだ膨らんだり液が漏れたりはしていません。ところがいずれも負荷がかかりやすく、さらにCPUの高熱に晒されたりと、何かとハンデを背負っている部分です。依頼者様のご依頼通り寿命が来そうなコンデンサはすべて交換します。
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 CPU周辺のコンデンサ。このコンデンサのうちルビコンのMBZを11本交換します。
この画像を見て気づいたのですが、以前Dimension 4500cの修理をした時と比べてコンデンサが一回り小さい・・・・。以前修理したときは10φのコンデンサだったのですが、今回は8φです。ひょっとして同じ機種だけどいくつか違うバージョンのマザーボードがあるのでしょうか?
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 同じく負荷がかかりやすいメモリスロット付近の2本のコンデンサ(こちらもルビコンMBZ)を交換します。
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 取り外したコンデンサ。2003年製造のルビコンMBZ。7年経過した今でも膨張せずに持ちこたえていたようです。(以前Dimension 4500Cを修理したときは、ニチコンHMが膨らんでいました)
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交換に使用するコンデンサ
ニチコン 低ESR 電解コンデンサ HMシリーズ UHM0J152MPD6
6.3V 1500μF 8φ×20mm  13本
ニチコンHMは元々付いていたルビコンのMBZより若干ESRが低いのでちょっとだけ高性能化が期待できます。
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 さっそくCPU付近の11本をサクっと交換します。
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 次にメモリスロット付近の2本もサクッと交換します。
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 さて、もう一つ依頼者様からこんなご依頼が。「マザーボードのバッテリバックアップ電池が切れているので、交換をお願いしたいのですが」
 というわけでリチウム電池も交換しますた。
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 いよいよ動作確認です。
動作確認用のディスプレイを繋ぎ、スイッチオン!
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動きました!
やっぱり、この瞬間はいつでもうれしいものですね。

早速パソコンをクロネコヤマトまで持って行きます。

マザーボード修理 ~SONY VAIO Type HX(VGC-HX62B7)編~


 今回のご依頼は、ソニーのVAIOのマザーボードのコンデンサの交換のご依頼です。

 この機種は2004年に発売になった機種で、到着したマザーボードを調べてみますとCPUの周辺などには日本メーカーのコンデンサが使用されているのですが、メモリスロットやその他の拡張スロットなどの付近には依然として台湾メーカーのコンデンサが搭載されていました。
 今回はこれらのコンデンサをすべて日本のメーカーのコンデンサに交換します。

IMG_2596.jpg 取り外したコンデンサはLtecという台湾のメーカーのコンデンサ14本。すべてが膨張、液漏れなどを起こしているわけではありませんでしたが、いずれは近いうちにダメになることが予想されますのですべて交換することにしました。
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交換に使用するコンデンサ
ルビコン 超低ESR小型アルミ電解コンデンサ 6.3MCZ820M 8φ×11.5mm
6.3V 820μF×14本
IMG_2590.jpg まずはメモリスロット付近のコンデンサ6本を交換します。この部分のコンデンサはかなり負荷がかかっていたようで、液漏れを起こしていました。
IMG_2601.jpg 次にチップセット付近のコンデンサ2本。ここも液漏れを起こしていました。
IMG_2602.jpg 液漏れや膨張を起こしていなかったものの、Ltecという信頼性の低いコンデンサを使用している為、将来的に液漏れを起こしそうな部位のコンデンサも併せて交換しました。
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IMG_2607.jpgVAIO Type HX特有の問題も併せて修復

 さて、最後にこの機種では問題となっている「チップセットのヒートシンクを留めるクリップがなぜか使用中に外れてしまう」という問題も修復してみました。

 実はこのマザーボードを受け取った時に、チップセットのヒートシンクを固定するクリップが一つ外れているのを発見しました。改めて依頼者様に連絡をとってみるとこの機種特有の症状であるとのこと。念のため検索してみるとやはり同様の症状のVAIOがいくつか見られました。(参考リンク)

 しかしながら、いくらコンデンサは交換したとはいえ、チップセットのヒートシンクがきちんと固定されていなければパソコンは安定動作しないはず。そこでコンデンサの脚をニッパで切断した際の余りのリード線を使ってクリップを自作してみました。見た目は悪いですが、強度的には問題ありません。
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