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マザーボード修理 ~FIC VC-31L編~


 今回のご依頼はFIC社のVC-31Lのコンデンサ17本の交換のご依頼です。
依頼者様によりますと「愛用のパソコンが動かなくなり、分解して調べてみたところいくつかのコンデンサが液漏れ、膨張を起こしていたために交換をお願いしたい」とのことでご依頼をいただきました。

IMG_2798.jpg CPU周辺のコンデンサ。VRM一次側は信頼性の高いサンヨー製のコンデンサが使用されており、2次側はニチコンの液体コンデンサとサンヨーの固体コンデンサのハイブリッドという変則的な構成になっています。この部分で液漏れ、膨張を起こしている物はニチコンのコンデンサ6本。まずはここを交換対象とします。
IMG_2799.jpg 拡張スロットの付近に配置されているS.I社製のコンデンサ9本。うち2本が液漏れを起こしていますが、こちらも9本すべて交換対象とします。

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 電源コネクタ付近のS.I製のコンデンサ2本にも膨張が見られます。2本のうち膨張を起こしているのは1本のみですが、2本とも交換対象とします。

IMG_2803.jpg 取り外したコンデンサ。CPU周辺から取り外した6本のニチコン製コンデンサにはニチコンHDが使用されていました。通常CPUの周辺にはもっとESRが低いHMやHZ(過去にはHN等)を使うのが通常ですが、前述の通りこのマザーボードは固体コンデンサと液体コンデンサのハイブリッド構成ということで、おそらく固体コンデンサと液体コンデンサを並列に繋いでESRを下げるという構成にしたのだと思います。
IMG_2812.jpg交換に使用するコンデンサ

CPU周辺6本
ニチコン低ESRアルミ電解コンデンサ UHM0J152MPD6 6.3V 1500μF 8φ×20mm 6本

拡張スロット周辺9本
ニチコン低ESRアルミ電解コンデンサ UHM0J102MPD 6.3V 1000μF 8φ×15mm 9本

電源コネクタ付近2本
ニチコン低ESRアルミ電解コンデンサ UHM1C102MPD6 16V 1000μF 8φ×20mm 2本

すべてニチコンのHMシリーズを使用しました。

IMG_2807.jpg まずはCPU周辺の6本のコンデンサをすべて交換します。
IMG_2814.jpg 拡張スロット周辺の9本のコンデンサ。これらをすべてニチコンのHMに交換しました。
IMG_2815.jpg最後に電源コネクタ付近のコンデンサ2本も交換しました。
IMG_2817.jpg さらにこのマザーボードも以前修理したVAIOのマザーボード同様、チップセットのヒートシンクを留める留め金が脱落していましたので、余ったコンデンサのリード線を用いて自作しました。
IMG_2856.jpg

 この後マザーボードは依頼者様の元へと返送されました。現在動作確認の報告待ちです。