マザーボード修理 ~Aopen AX4SPE-N編~


 依頼者様によりますと「CPU傍のコンデンサ6本が液漏れ、膨張を起こしたため交換を依頼」とのことでご依頼を頂きました。その他にも、オーディオジャック付近の小さなコンデンサが何らかの拍子に外れそうになってしまったためそちらも交換して欲しいとの要望も頂きましたのでそちらも併せて交換することにしました。

 例によってCPU付近の6本のコンデンサ、日本製品ではありますが不良品ロットのニチコンHMが使用されており、頭がぷっくり膨らんでおりました。

DSCF8332.jpgこれが依頼者様曰く、「何らかの拍子で外れかけてしまっているオーディオジャック付近の小さいコンデンサ」。通常なら相当の力を加えなければこんな風にはならないのだが・・・。

DSCF8331.jpg

交換に使用したコンデンサ
ニチコン 低ESR解コンデンサ 6.3V 3300μF UHM0J332MPD×6本
パナソニック 超小型電解コンデンサ 16V 10μF ECEA1CKS100×1本
ちなみにCPUやチップセット、メモリスロット付近など所謂低ESRなコンデンサが必要な部分では、特に指定が無い限りニチコンHMかルビコンMCZを使っています。実はこれよりも高価でハイグレードなニチコンHZとかルビコンMHZなんてものもあるのですが、こちらはどうしても必要な場合(必要な容量とサイズがどうしても手に入らない場合)や依頼者様から直接指定があった場合を除いて使っていません。(なにより高価ですので)

DSCF8333.jpgさて、早速部品が手に入ったところでハンダ付けです。コンデンサ列の左右にコンデンサを取り付ける部分が2本ずつているのが見えますが、ここには元々コンデンサはついておりません。実は家電製品には部品を取り付ける箇所があってもなぜか取り付けられていない、というものが良くあります。
DSCF8339.jpgそしてこちらはオーディオジャック付近の小さいコンデンサです。
DSCF8342.jpg

その後依頼者様にマザーボードを返送し、動作確認をお願いしたのですが、残念なことにマザーボードは動作しなかったそうです。
しかしその後色々調べてみて原因らしき物が判明しました。
というのも、毎回コンデンサ交換のご依頼を頂く度に、修理前、修理後の写真の記録を行っているのですが(部品の配置やスペックのメモを取るという意味も込めて)、なんとオーディオジャック付近のコンデンサ近くに配置されていたと思われるチップ抵抗が木っ端みじんに吹き飛んでいる形跡が見られました。(画像をクリックしていただくと大きな画像で表示されます)
DSCF8330.jpg
 実は修理前に依頼者様からメールで「オーディオジャック付近の小さいコンデンサが取れそうになっている」との連絡を頂いていたのですが、どうも犯人はこのチップ抵抗っぽい気がします。
 何はともあれ、せっかくご依頼を頂いたにもかかわらず今回は期待に添えなくて非常に申し訳ございませんでした。