マザーボード修理 ~AOpen AX3S MAX~


 今回のご依頼はAOpenのAX3S MAXになります。懐かしいSocket 370のマザーボードです。
 AOpenのマザーボードは私も思い入れがとても深く、初めてパソコンを自作したのが今から10年前。そのときに購入したマザーボードがAOpenのAX3SP Pro-UというSocket 370のマザーボードでした。初自作でしたのでできるだけ安く組もうと思い、書き込み機能も付いていない単なるCDドライブとCeleron 1.2GHz、電源付きの安物ケース、家にあった中古のHDDを組み合わせてでパソコンを組みました。無事組み終えて不安と期待が入り交じる中、電源を投入して無事BIOSの画面を拝めた時はあまりにも感動してしまったのを今でもはっきりと覚えています。

 閑話休題。さてこのマザーボードもSocket 370の古いマザーボードで、2002年製造のものです。当時はコンデンサの液漏れ問題がまだ表に出ていなかった頃もあり、台湾製コンデンサがこれでもか、という程使われていました。このマザーボードも主要な部分にはLelonのコンデンサが使われており、26本中22本が液漏れを起こしておりました。

 今回は液漏れを起こしていない4本も含めLelonのコンデンサ26本をすべて交換します。

赤:6.3V 2200μF 10φ×11本 緑:6.3V 1000μF 8φ×11本 水色:16V 680μF 8φ×4本

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 CPUのVRM部分。大変負荷がかかる回路ですが、ここもLtecのコンデンサが主です。当然液漏れを起こしています。この頃のマザーボードはCPU専用の12V端子が無く、直接ATX電源のメインコネクタからCPU用の電源を給電するようなのですが、ここのVRMには比較的新しいマザーボードで使われている16Vの入力側コンデンサが無い事を見ると、CPUの電源は5Vから生成されていたのかな? と思いました。IMGP0701.jpg

 メモリスロット周辺のコンデンサも負荷がかかる部位であります。当然ここのコンデンサもこのように膨らんでいます。
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 6.3V 1000μFなどの小さいコンデンサ群。通常PCIスロットやAGPスロットの周辺に配置されていますが、ここのコンデンサもやはりよく膨張を起こします。
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 サウスブリッジ周辺。膨張はしていませんでしたが、Lelonのコンデンサが使われていたということもあり、こちらもすべて交換対象にします。
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交換に使用するコンデンサ
6.3V 2200μF 10φ×11本
10V 1000μF 8φ×11本
16V 680μF 8φ×11本
すべてSUNCONのWGです。PCI/AGPスロット周辺の元々のコンデンサは6.3V 1000μFでしたが、今回は若干耐圧が高い10V品を用います。
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CPU周辺のコンデンサを交換したところです。やはりピカピカの新品コンデンサは良いですね。
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メモリスロット周辺のコンデンサの交換も完了。
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AGPスロット周りと、
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PCIスロット周りのコンデンサを一気にさくっと交換しまして、
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最後にサウスブリッジ周辺のコンデンサを交換して完了です。
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取り外したコンデンサ。Lelon製。どれもボロボロに液漏れを起こしておりました。
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 コンデンサを交換したマザーボードは7月23日を以て、依頼者様の元へと返送されました。