マザーボード修理 ~DELL Optiplex GX270 SFF その5~


 今回のご依頼は、毎度お馴染みOptiplex GX270 SFFのマザーボード3枚のコンデンサ交換になります。
今回はある企業の方からのご依頼で、「システム障害時の交換用ボードとして活用するためコンデンサの交換をお願いしたい」との事でご依頼を頂きました。3枚のマザーボードともどれもかなりの液漏れを起こしていました。

 なお今回は多忙であったため、コンデンサ交換前の写真を用意することが出来ませんでした。ここにUPしている写真はほぼすべて交換後の画像になります。

交換箇所は以下の18本になります。

緑:16V 1800μF 10φ 赤:6.3V 1800μF 8φ 青:6.3V 1500μF 10φ 水色:10V 680μF 8φ

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交換に使用したコンデンサはすべてサンヨーのWGシリーズです。
 まずはいつものようにCPU周りの大量のコンデンサから交換開始です。元々取り付けられていたコンデンサは2003年製造のルビコンMCZでした。
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メモリスロット周辺の4本。上の2本は6.3V 1500μF 10φ、下の2本は6.3V 1800μF 10φ、こちらも同じくルビコンMCZが使われていました。
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AGPスロット付近にある2本。右側の大きなコンデンサは6.3V 1500μF 10φ。元々はルビコンMCZでした。左側の小さな方は、10V 680μF 8φ。こちらはニチコンHMが使われておりました。IMG_4456.jpgコンデンサの交換で一番難易度が高かった箇所。VRMの入力側コンデンサ3本。ここはヒートシンクが邪魔して指が通らないため、ラジオペンチで慎重にコンデンサを掴みながら作業を行いました。
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さて、今回苦労した箇所はコンデンサの交換ではありません。
実はDELLの多くの機種はCPU周辺のコンデンサを交換する前にマザーボード裏に取り付けられている金属製のバックプレートを取り外さなければコンデンサの交換が物理的に行えないようになっています。ところが、今回はこのバックプレートの取り外しにかなり難儀しました。
 というのも、ほとんどの場合、このバックプレートの取り外しはすんなりとうまくいくのですが、今回は樹脂の経年劣化の影響か、固定用のピンが完全に固着しており、通常の工具ではまったく歯が立たずに取り外せませんでした。
 そこで、依頼者様に改めて連絡を取り、この固定用のピンを電動ドリル等で破壊し、新しいピンを取り付けても良いか問い合わせたところ、OKサインが出ましたので古いピンの破壊を決行しました。
 ハンダゴテを用いてピンの先端を溶かし、先の細いドリルで慎重に内部を切削していくと、基盤を傷つけることなくピンの取り外しが出来ました。破壊したピンはもう2度と使えませんから、市販の互換品を使うことになります。
 使用した市販のピンはAinexのPB-041という物で、DELLの機種にも使えます。しかしながらこの製品は出荷完了品であり、入手がなかなか困難であるため、今後固定ピンが必要になりそうな方は今のうちに確保しておいたほうが良いかもしれません。
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新しい固定ピンを装着したバックプレート。
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 このようにリテンションがマザーボードにきっちりと固定されました。
IMG_4530.jpgコンデンサの交換を終えた3枚のマザーボード。
今回は合計54本のコンデンサの交換でした。
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「マザーボード修理 ~DELL Optiplex GX270 SFF その5~」への2件のフィードバック

  1. お世話になります。

    KLA-テンコールの幕内と申します。
    本HPを拝見させて頂きました。
    DELL Optiplex GX270のマザーボードのコンデンサが多数破裂しているものを修理して頂きたいのですが、お見積書を頂く事は可能でしょうか?

    現物を見てみないと難しいでしょうか?見た目では、CPU近辺のコンデンサの液漏れは確認できますが、その他のものは、見た目では大丈夫な感があります。

    大変お忙しいとは存じますが、返信の程宜しくお願い致します。

  2. はじめまして、コメントありがとうございます。
    お見積りの件ですが、メールをこちらから返信させていただきましたので、よろしくお願いいたします。

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