マザーボード修理 ~ASUS KFN32-D SLI~


 今回のご依頼はASUSのKFN32-D SLIのコンデンサの交換です。
このマザーボードは2006年に発売されたハイエンドサーバ・ワークステーション用のマザーボードで、Socket F対応CPU(主にAMD Opteron)がデュアルで搭載できるハイスペックマザーです。

 依頼者様曰く、「このマザーボードはドスパラから発売されているdigistremaというDAW専用PCに使われていた物で、一週間ぐらい前から突然フリーズするようになり、HDDやメモリをチェックしてみた物の異常は見られず、ドスパラに修理依頼をしたがすでに廃盤になってしまったマザーボードのため修理を引き受けられない旨を告げられた。中を開けて見ると液漏れこそ見られない物のいくつかのコンデンサが膨張していた」とのことでコンデンサの交換のご依頼を頂きました。

 同時に、予防処置として膨張していないコンデンサもすべて交換してほしいとのことで、38本のコンデンサの交換となりました。

 参考までに依頼者様からお送りいただいた画像を掲載させていただきます。ごらんの通りハイスペックマザーにふさわしく固体コンデンサが使われていますが、コスト削減のためか液体コンデンサも併用いられています。さて、この液体コンデンサ、日本ケミコンの「KZG」です。私は個人的に知り合いのPCのコンデンサなんかも交換したりするのですが、日本ケミコンのKZGは例外なく膨張しています。よって、KZGは日本のメーカーのコンデンサの中でもとくに膨張しやすいように思われます。(メーカからもデータシートが削除されて無かったことにされているようですし・・・)
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 さて、交換するコンデンサは以下の38本になります。基本的にマザーボード上にある日本ケミコンのKZGはすべて交換対象とします。

赤:6.3V 820μF 黄色:6.3V 1500μF 緑:6.3V 1000μF 水色:16V 470μF、サイズはすべてφ8です。

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拡張スロット周辺に多数あるKZGはどれも膨張していないように見られますが、依頼者様のご希望通りに交換します。

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問題の箇所はここ。チップセット周辺のKZG2本が膨らんでいます。

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 コンデンサを取り外した後のマザーボードの様子です。写真では拡張スロット周辺のコンデンサは膨張していませんでしたが、取り外してみると基盤に茶色い染みのようなものが見られます。コンデンサの下部から漏れ出した電解液の痕跡なのでしょうか・・・。おそらく膨張していない物も含めてKZGをすべて交換するという判断は正解だったようです。

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交換に使用するコンデンサ。すべてサンヨーWGですが今回は大量にあります。

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チップセット付近のコンデンサの交換が完了しました。

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拡張スロット周辺のコンデンサも交換が完了。

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 今回は鉛フリーハンダを用いたマザーボードということで、半田ごての温度を常時高温に設定したこと、交換本数が38本あり、若干時間がかかってしまったということもあり、最後の4本を交換する前にコテ先がボロボロになってしまい、コテ先を新品に交換するというハプニングがありましたが結果として38本すべてを無事交換できました。

 このマザーボードは本日午後10時を以て、依頼者様の元へと返送されました。