今回のご依頼は、DELLのハイエンドワークステーション「Precision Workstation 650」のマザーボードのコンデンサの交換です。この機種は2004年発売の機種で、Xeon CPUをデュアルで搭載するハイスペックマシンです。
ハイエンドワークステーションだけあって、コンデンサの搭載量も多く、またマザーボードも大きいです。
依頼者様曰く「PC自体はここ一年、徐々に立ち上がりづらくなりました。現在は電源を入れてもBIOS表示されない状況です。MACアドレスの関係でM/B交換はできない状況ですのでコンデンサ交換をして頂けると非常に助かります。」とのことでご依頼を頂きました。
今回交換するコンデンサは以下の38本になります。
赤:6.3V 2200μF φ10 緑:6.3V 1800μF φ10 水色:16V 1800μF φ10 黄色:6.3V 1500μF φ10 紫:6.3V 820μF φ8
漏れているのは主にニチコンのHMです。コンデンサのスリーブの刻印を見てみますと2002年製造だということがわかります。この時期のニチコンHMはとにかく漏れやすく、私の所へ来る依頼のうちDELLのマシンでは例外なく漏れているコンデンサの一つです。
日本ケミコンKZGも早期に漏れやすいコンデンサの一つ。こちらももちろん交換対象にします。
CPU周辺に多数あるコンデンサ。電力消費量が多いXeonを2基搭載しているだけあって、コンデンサの数もそれなりに多いですが、こちらは主にルビコンのMBZが使用されており、液漏れは見られませんでした。しかし、負荷がかかる部位であることと使用年数なども考慮してこちらも交換対象にします。
まずはじめに、液漏れを起こしていたニチコンHMの軍団をすべてサンヨーWGへ交換。
CPUスロット1周辺の17本を交換。実は奥に見えるヒートシンクの下に3本コンデンサがあるのですが、ヒートシンクの取り外しが基本的に行えないため、こちらの交換は非常に手間が掛かりました。
CPUスロット2付近の6箇所。こちらもサンヨーWGへと交換。
チップセット付近、5本。依頼者様のご希望により予防処置として膨らんでいないコンデンサも含め交換しました。
最後にメモリスロット側の2本を交換して完了です。
本マザーボードは12月11日を以て依頼者様の元へと返送され、動作確認をお願いしたところ、正常に動作している様子の写真を送って頂きました。