コンデンサ交換 番外編 ~今まで沢山のご依頼有り難うございました。~


 時の経つのは早いもので、コンデンサの交換サービスを開始してからもう少しで2年目に突入しようとしています。

 そもそも私はこのウェブサイトを「パチスロの立ち回りをコンピュータを用いて研究する」事をテーマに開設したので、開始した当初はまったくのカテゴリ違いであるコンデンサに関しては、はっきりいってこれほどまでにご依頼を頂けるとは予想していませんでした。しかしながら予想に反してたくさんのご依頼を頂くことが出来、とても光栄に思っております。

 いままでに交換したコンデンサの本数はおそらく数百本を超えていると思います。また交換したハンダゴテのコテ先の本数、使ったハンダや洗浄剤の量もおそらく半端ではなかったと思いますが、コンデンサを交換した後に「動かなかったパソコンが起動しました」、「無事データを救出することが出来ました」などの報告にとても励まされました。

 今後とも精進して参りますのでどうぞよろしくお願い申し上げます。

 なお、オマケといっては何ですが・・・、いままでご依頼を頂いたマザーボードから取り外したコンデンサの画像です。処分の方法がいまいちわからず、そのまま捨てていいのかハッキリしないためこうやって取っておいたのですがいつのまにかこんなに貯まっていました。

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マザーボード修理 ~Dell Dimension 8300編~


今回のご依頼はDELLのDimension 8300になります。

依頼者様曰く「現在サブのPC(Dell Dimension 8300 XP)のCPU周りのコンデンサが液漏れや膨らんだ状態になってます。(中略) 今まではクーラーもかけない真夏の自室で予約録画を行ってきました。暑い室内温度以上の熱風を排気しながらPCが長時間稼働していたと想像できます。 」とのことで、将来の故障予防処置的にコンデンサの交換のご依頼をいただきました。

Dimension 8300といえば2003年発売のハイスペックマッスィ~ン。2002年11月に登場したHTテクノロジ搭載Pentium 4をいち早く採用するなど、その意気込みが伺える仕上がりです。

今回交換するコンデンサは下の写真の10カ所になります。

IMG_3044.jpg 元々のコンデンサは16V 1200μF×4本、6.3V 820μF×6本、その他に固体コンデンサが4本付いています。
ちなみに私が噂で聞いた話によると、このように固体コンデンサと非固体コンデンサをハイブリッドにして使う方法は消費電力が大きいHT搭載Pentium 4が出た当時のインテルのマザーボード設計ガイドライン推奨の方法であるらしく、この方法で設計を行うと、非固体コンデンサのほうが液漏れを起こしても固体コンデンサが死なない限りマザーボードは安定して動き続けるそうです。(あくまで某所で聞いた噂です) しかしながら、依頼者様も「起動や実使用ではまだ問題が発生していない」とおっしゃっていたため、噂は本当かもしれません。
IMG_3048.jpg取り外したコンデンサ。緑のコンデンサはまだ膨らんでいませんが、依頼者様の希望通りこちらもすべて交換。
IMG_3053.jpg交換に使用するコンデンサ

CPU電源一次側:サンヨーWG 16V 1800μF 10φ × 4本
元々のコンデンサは1200μFでしたが、若干容量をアップさせて電源のレギュレーション改善を図ってみました。

IMG_3082.jpgCPU電源2次側:ニチコンHZ 6.3V 1500μF 8φ × 6本
こちらは元々付いていたコンデンサがニチコンのHNとあって、それに倣い超低ESRのニチコンHZを使用。こちらも元々の容量が820μFだったところを1500μFに増強。電源のレギュレーション改善の他に、高温下での長期の使用における容量抜け対策が主な目的です。
IMG_3099.jpgコンデンサの交換を無事終えたところ。
IMG_3102.jpgこの後、マザーボードを依頼者様に返送し、動作確認をお願いしたところ

「先日コンデンサ交換をして頂いたマザーボードを組み込みWindowsXPの起動を確認しました。 
どうもありがとうございました。 これから先、安心してWindowsXPを使っていけそうです。 」

とのご報告をいただきました。

マザーボード修理 ~DELL Optiplex GX260 7台目~


 今回のご依頼もDELLのOptiplex GX260です。当サービスでは定番の機種になっています。

 今回は、当サービスを過去に何度も利用して下さっている企業ユーザーでリピーターの方からのご依頼です。(その方からのご依頼はこれで6台目になり、いずれも業務で現役稼働中のGX260とのことです。)

 Optiplex GX260では毎度お馴染みの箇所+αを交換します。

赤枠:6.3V 2200μF 10φ
緑枠:10V 680μF 8φ

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 さて、この機種の場合毎度の事ですがCPU周りのコンデンサがまずものすごい液漏れを起こします。
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 さらにメモリスロット付近の1本もこの機種では液漏れを起こす定番のコンデンサとなっております。
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 そしてもう一箇所、今まではこのコンデンサが液漏れを起こしているのを見たことが無かったのですが実は前回この機種の修理を行ったときに偶然液漏れを発見しましたので、今後はこのコンデンサも定番リスト入りに決定しました。
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 取り外したコンデンサ。ニチコンのコンデンサの場合はH0239等の数字が印刷されているのですが、これが製造日を表しています。この場合2002年39週目に製造された、という意味です。8年間お疲れ様でした・・・
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交換に使用するコンデンサ
CPU周辺10本、及びメモリスロット付近の1本
ルビコン 超低ESR小型アルミ電解コンデンサ 6.3V 2200μF 6.3MCZ2200M 10φ×20mm ×11本
12V電源コネクタ付近の1本
ニチコン 超低ESR小型アルミ電解コンデンサ 16V 680μF UHZ1C681MPM3 8φ×20mm ×1本
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 CPU周辺の11本を交換したところです。元々付いていたニチコンHMと今回交換したルビコンのMCZは若干ではありますがESRがHMより低く、許容リップル電流はHMよりも大きいです。従ってほんのわずかではありますがスペックに余裕があり、高性能です。

コンデンサ種別 ESR 許容リップル電流
HM 6.3V 2200μF 13mΩ 2550mA (rms)
MCZ 6.3V 2200μF 11mΩ 2770mA (rms)

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 メモリスロット付近のコンデンサも同様に交換します。
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 最後に12V電源コネクタ付近の1本を交換して完了です。
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 コンデンサ交換後、パソコンを組み直し電源をいれると無事にBIOSが起動しました。
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 待つこと数秒、HDDのアクセスも始まり、無事にWindowsも起動しました。この後数時間電源を入れっぱなしにしてコンデンサのエージングを行うと同時に、急に電源が落ちたりしないかどうかを念のため検査します。
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 この後このパソコンは依頼者様の元へ返送され、「問題なく動作しております 」とのご報告を頂きました。

マザーボード修理 ~FIC VC-31L編~


 今回のご依頼はFIC社のVC-31Lのコンデンサ17本の交換のご依頼です。
依頼者様によりますと「愛用のパソコンが動かなくなり、分解して調べてみたところいくつかのコンデンサが液漏れ、膨張を起こしていたために交換をお願いしたい」とのことでご依頼をいただきました。

IMG_2798.jpg CPU周辺のコンデンサ。VRM一次側は信頼性の高いサンヨー製のコンデンサが使用されており、2次側はニチコンの液体コンデンサとサンヨーの固体コンデンサのハイブリッドという変則的な構成になっています。この部分で液漏れ、膨張を起こしている物はニチコンのコンデンサ6本。まずはここを交換対象とします。
IMG_2799.jpg 拡張スロットの付近に配置されているS.I社製のコンデンサ9本。うち2本が液漏れを起こしていますが、こちらも9本すべて交換対象とします。

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 電源コネクタ付近のS.I製のコンデンサ2本にも膨張が見られます。2本のうち膨張を起こしているのは1本のみですが、2本とも交換対象とします。

IMG_2803.jpg 取り外したコンデンサ。CPU周辺から取り外した6本のニチコン製コンデンサにはニチコンHDが使用されていました。通常CPUの周辺にはもっとESRが低いHMやHZ(過去にはHN等)を使うのが通常ですが、前述の通りこのマザーボードは固体コンデンサと液体コンデンサのハイブリッド構成ということで、おそらく固体コンデンサと液体コンデンサを並列に繋いでESRを下げるという構成にしたのだと思います。
IMG_2812.jpg交換に使用するコンデンサ

CPU周辺6本
ニチコン低ESRアルミ電解コンデンサ UHM0J152MPD6 6.3V 1500μF 8φ×20mm 6本

拡張スロット周辺9本
ニチコン低ESRアルミ電解コンデンサ UHM0J102MPD 6.3V 1000μF 8φ×15mm 9本

電源コネクタ付近2本
ニチコン低ESRアルミ電解コンデンサ UHM1C102MPD6 16V 1000μF 8φ×20mm 2本

すべてニチコンのHMシリーズを使用しました。

IMG_2807.jpg まずはCPU周辺の6本のコンデンサをすべて交換します。
IMG_2814.jpg 拡張スロット周辺の9本のコンデンサ。これらをすべてニチコンのHMに交換しました。
IMG_2815.jpg最後に電源コネクタ付近のコンデンサ2本も交換しました。
IMG_2817.jpg さらにこのマザーボードも以前修理したVAIOのマザーボード同様、チップセットのヒートシンクを留める留め金が脱落していましたので、余ったコンデンサのリード線を用いて自作しました。
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 この後マザーボードは依頼者様の元へと返送されました。現在動作確認の報告待ちです。

マザーボード修理 ~ASUS P4P800-JAY編~


 今回のご依頼は、ASUSTekのP4P800-JAYのコンデンサ13本の交換のご依頼です。
依頼者様によりますと、「使用中に、突然の画面停止が10回ほど続き、翌日BIOS起動しなくなりました。コンデンサが原因の故障かどうかは定かではないが、台湾OST製のコンデンサ10本ほどが微妙な膨張を起こしているため交換して欲しい」とのことでご依頼を頂きました。

 交換するコンデンサは下の図のコンデンサ13本、いずれも台湾OST製のコンデンサです。
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 13本のコンデンサのうちの一つ。確かに膨張していると言われればそう見えるのですが、派手に膨らんでいるわけではないので判断が難しいですね・・・。で、不安になってググってみるとどうもOSTのコンデンサは派手な膨らみ方をしないらしいです。(参考リンク
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 取り外したコンデンサ13本。どれも液漏れを起こしていないのですが、このマザーボードが2003年発売の製品であることを考えると寿命を迎えている可能性はあるかもしれませんね。
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交換に使用するコンデンサ
ニチコン低ESR電解コンデンサ HMシリーズ UHM0J102MPD
6.3V 1000μF 8φ×15mm 13本
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 無事交換を終えたコンデンサ。ちなみにマザーボードのコンデンサを交換するときには「両面プリント基板用共晶ハンダ」という物を使っています。
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 この後マザーボードは依頼者様の元へ返送されます。

マザーボード修理 ~DELL Dimension 4500c(2台目)編~


 今回のご依頼は、DELLのDimension 4500Cです。Dimension 4500Cはこれで2台目になります。

 依頼者様によりますと、「現在は新しいパソコンで64ビット版のWindows 7を利用しているのですが、今まで古いパソコン(Dimension 4500C)で使えていたソフトやハードが新しいパソコンでは使えなくなって大変困っています。Dimension 4500Cも性能的にもまだまだ使えるので時期的にも寿命を迎えそうなコンデンサの交換をお願いしたい」とのことでご依頼を頂きました。

 よくわかります。古いソフトやハードが新しいパソコンで使えないこのつらさ。
実は私も未だにWindows Server 2003(内部的にはXPのような物です)を愛用しています。もちろん最新のWindows 7のほうが何かと快適だったり便利だったりすると思うのですが、私の場合Adobe GoLiveとVisual Studio 2005がWindows 7でまともに動くかどうか危ういという理由でWindows 7に移行できません。さらに私は未だにPower Mac G4も愛用しています。こちらは音楽の制作に使っているのですが、Digital Performer 3とプラグインがMac OS Xに対応していないため、泣く泣くMac OS 9を使い続けています。

 閑話休題。
早速マザーボードを見てみます。
交換するコンデンサは赤枠で囲まれた部分のコンデンサで、まだ膨らんだり液が漏れたりはしていません。ところがいずれも負荷がかかりやすく、さらにCPUの高熱に晒されたりと、何かとハンデを背負っている部分です。依頼者様のご依頼通り寿命が来そうなコンデンサはすべて交換します。
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 CPU周辺のコンデンサ。このコンデンサのうちルビコンのMBZを11本交換します。
この画像を見て気づいたのですが、以前Dimension 4500cの修理をした時と比べてコンデンサが一回り小さい・・・・。以前修理したときは10φのコンデンサだったのですが、今回は8φです。ひょっとして同じ機種だけどいくつか違うバージョンのマザーボードがあるのでしょうか?
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 同じく負荷がかかりやすいメモリスロット付近の2本のコンデンサ(こちらもルビコンMBZ)を交換します。
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 取り外したコンデンサ。2003年製造のルビコンMBZ。7年経過した今でも膨張せずに持ちこたえていたようです。(以前Dimension 4500Cを修理したときは、ニチコンHMが膨らんでいました)
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交換に使用するコンデンサ
ニチコン 低ESR 電解コンデンサ HMシリーズ UHM0J152MPD6
6.3V 1500μF 8φ×20mm  13本
ニチコンHMは元々付いていたルビコンのMBZより若干ESRが低いのでちょっとだけ高性能化が期待できます。
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 さっそくCPU付近の11本をサクっと交換します。
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 次にメモリスロット付近の2本もサクッと交換します。
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 さて、もう一つ依頼者様からこんなご依頼が。「マザーボードのバッテリバックアップ電池が切れているので、交換をお願いしたいのですが」
 というわけでリチウム電池も交換しますた。
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 いよいよ動作確認です。
動作確認用のディスプレイを繋ぎ、スイッチオン!
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動きました!
やっぱり、この瞬間はいつでもうれしいものですね。

早速パソコンをクロネコヤマトまで持って行きます。

マザーボード修理 ~SONY VAIO Type HX(VGC-HX62B7)編~


 今回のご依頼は、ソニーのVAIOのマザーボードのコンデンサの交換のご依頼です。

 この機種は2004年に発売になった機種で、到着したマザーボードを調べてみますとCPUの周辺などには日本メーカーのコンデンサが使用されているのですが、メモリスロットやその他の拡張スロットなどの付近には依然として台湾メーカーのコンデンサが搭載されていました。
 今回はこれらのコンデンサをすべて日本のメーカーのコンデンサに交換します。

IMG_2596.jpg 取り外したコンデンサはLtecという台湾のメーカーのコンデンサ14本。すべてが膨張、液漏れなどを起こしているわけではありませんでしたが、いずれは近いうちにダメになることが予想されますのですべて交換することにしました。
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交換に使用するコンデンサ
ルビコン 超低ESR小型アルミ電解コンデンサ 6.3MCZ820M 8φ×11.5mm
6.3V 820μF×14本
IMG_2590.jpg まずはメモリスロット付近のコンデンサ6本を交換します。この部分のコンデンサはかなり負荷がかかっていたようで、液漏れを起こしていました。
IMG_2601.jpg 次にチップセット付近のコンデンサ2本。ここも液漏れを起こしていました。
IMG_2602.jpg 液漏れや膨張を起こしていなかったものの、Ltecという信頼性の低いコンデンサを使用している為、将来的に液漏れを起こしそうな部位のコンデンサも併せて交換しました。
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IMG_2607.jpgVAIO Type HX特有の問題も併せて修復

 さて、最後にこの機種では問題となっている「チップセットのヒートシンクを留めるクリップがなぜか使用中に外れてしまう」という問題も修復してみました。

 実はこのマザーボードを受け取った時に、チップセットのヒートシンクを固定するクリップが一つ外れているのを発見しました。改めて依頼者様に連絡をとってみるとこの機種特有の症状であるとのこと。念のため検索してみるとやはり同様の症状のVAIOがいくつか見られました。(参考リンク)

 しかしながら、いくらコンデンサは交換したとはいえ、チップセットのヒートシンクがきちんと固定されていなければパソコンは安定動作しないはず。そこでコンデンサの脚をニッパで切断した際の余りのリード線を使ってクリップを自作してみました。見た目は悪いですが、強度的には問題ありません。
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マザーボード修理 ~Iwill DP533-S編~


 今回のご依頼はIwillのDP533-Sのコンデンサの交換のご依頼です。

 DP533-Sは2002年に発売されたハイエンドサーバ向けのマザーボードで、2基のXeon CPUを搭載可能なハイスペックマザーボードです。当時の発売価格はなんと6万円弱!かくいう私も2002年頃にデュアルCPUを搭載したパワーマックG4が欲しくて欲しくて堪らなかったのですが、そんなお金など持っていなかった(当時の販売価格は399,800円)私は一番安い733MHzのG4(しかもL3キャッシュなし)を買いました。

 さて、依頼者様によりますと「パソコンが立ち上がらなくなりマザーボードのコンデンサーが破裂しているのを発見し、ネットで修理方法を検索していたところ貴殿のホームページにたどり着きました。(中略)交換してほしいマザーは是非とも使いたいので。」とのことでご依頼を頂きました。確かに6万円もするマザーボードが立ち上がらなくなったら処分するのも勿体ないですし、使い続けたいところであります。
DSCF0039.jpg このマザーボードが実際に手元に到着した時の第一印象は「デカい!」流石にExtended ATXフォームファクタなだけあります。実はデュアルCPU搭載可能マザーを実際に目にしたのは実はこれが初めてです。さらにサーバー向けマザーボードなだけあって、CPU周りには信頼性抜群の富士通製固体コンデンサがズラりと並んでいます。(黄色いコンデンサがそれです)

 それにしても私、「富士通」という単語を目にすると、かの名作「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」の1シーン、主人公マーティー・マクフライが「伊藤富士通」(映画ではFujitsu,Itoという表記)という胡散臭い名前の上司にクビにされるシーンをどうしても思い出してしまい頭から離れません。

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 そんな高信頼コンデンサを大量に搭載したマザーボードの一体どこのコンデンサがダメになっているのかと申しますと、まずはここです。ニチコンのHMが使われています。CPUの周辺には大量に固体コンデンサを投入しているにもかかわらず、このあたりは非固体コンデンサが使われています。

 ちなみに画像をよく見て頂くとわかると思うのですが、本来コンデンサが取り付けてあるはずの場所にコンデンサが付いていない箇所があります。依頼者様曰く「何らかの拍子に外れてしまった」そうで、ここに新しいコンデンサを取り付けて欲しいとのことでした。
DSCF0042.jpgさらに、ここのニチコンHMも頭が膨らんでいます。
DSCF0044.jpg そして、拡張スロット周辺になりますと、今度は台湾メーカーのコンデンサに格が下がるようです。AGPスロットとPCIスロットの間の緑色のコンデンサ、よく見ると頭が膨らんでいます。
DSCF0045.jpg メモリスロット傍にも台湾製コンデンサ4本が。そのうち奥の2本が膨らんでいます。
DSCF0046.jpg さらに反対側にも膨らんだ台湾製コンデンサが2本ありました。この特徴的な防爆弁をしたコンデンサ、調べてみるとHERMEIというメーカーのコンデンサでした。
DSCF0047.jpg AGPスロット傍の2本の小さなコンデンサはまだ膨らんでいませんでしたが、将来的に膨らむことが予想されるため交換対象としました。
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  取り外したコンデンサ。8年間お疲れ様でした。

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交換に使用するコンデンサ

すべてニチコンのHMを使用します。
メモリスロット付近の大きいコンデンサ4本
→ニチコン低ESRアルミ電解コンデンサ UHM0J332MPD 6.3V 3300μF 10φ×25mm 4本 
拡張スロット付近やメモリスロット付近の小さいコンデンサ7本
→ニチコン低ESRアルミ電解コンデンサ UHM0J102MPD 6.3V 1000μF 8φ×15mm 7本
DSCF0055.jpg まずはコンデンサ密集地帯から。メモリスロット付近の5本を取り付けます。それにしても新品のコンデンサの艶はいつ見ても萌えますね。
DSCF0076.jpg メモリスロット傍その2.小さいコンデンサ2箇所も交換。DSCF0079.jpg メモリスロットとチップセットの中間付近に位置する大きいコンデンサ。こちらも交換しました。
DSCF0081.jpg AGPスロット傍の2本も無事交換し、DSCF0082.jpg 最後にAGPスロットとPCIスロットの間にある小さいコンデンサを交換して完了です。
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 その後依頼者様にマザーボードを返送し、動作確認をお願いしたところ「無事起動しました。今までの不調が嘘みたいに快適です。」とのご報告を頂きました。

マザーボード修理 ~AOpen MS46L編~


 今回のご依頼はAOpen MS46Lのコンデンサ14本の交換作業のご依頼です。
このマザーボードは2002年発売のマザーボードで、台湾製や中国製のコンデンサが大量に使われていた時代の物です。

 ただ、私が思うにこの時代のマザーボードは今ほど電源にシビアでは無かったため、こういうコストダウンも致し方ないのかもしれません。無論長持ちするに越したことはないのですが・・・。

緑枠:16V 2200μF 12.5φ
赤枠:6.3V 1000μF 8φ

DSCF9727.jpg まずは小さなコンデンサからコツコツと。
メモリスロット付近にある小さなコンデンサ類ですが、見事に液漏れを起こしています。

DSCF9733.jpg これらのコンデンサをサンヨーのWGに交換します。この時代のマザーボードにサンヨーのWGはかなり贅沢と言えるでしょう。しかし依頼者様に同梱して頂いたコンデンサですのでありがたく使わせて頂きます。
DSCF9737.jpg小さいコンデンサの交換は完了!
DSCF9738.jpg 取り外したコンデンサを見てみますと、コンデンサの下部がぐちゃぐちゃになったり、電解液が漏れだしている物が多数見受けられます。Lelonのコンデンサは上部よりも下部が膨らんだり液漏れを起こしたりすることが多いようです。
DSCF9761.jpg 次に、CPU周辺の大きな3本のコンデンサを交換します。使用するコンデンサは日本ケミコンのKZH。
16V 2200μF (12φ)×3本
DSCF9842.jpg やはり大きいコンデンサは小さいコンデンサに比べて若干作業がやりやすいですね。
DSCF9844.jpg 取り外したコンデンサ。こちらもLelonのコンデンサが使用されていました。やはり底の部分が若干膨れています。
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マザーボード修理 ~Gigabyte GA-8IGML-T編~


 今回のご依頼は、GIGABYTEのGA-8IGML-Tのコンデンサ9本の交換作業です。
このマザーボードは2002年発売のマザーボードで、やはりコストダウンのためか中国製や台湾製の安価なコンデンサが利用されていました。GIGABYTEといえば今でこそ「オール日本製固体コンデンサを採用」を謳ったマザーボードを発売するメーカーですが、当時はコストダウンに必死だったのでしょうね。

緑枠部分:16V 1500μF
赤枠部分:6.3V 1000μF

DSCF9741.jpgまずはCPUの周辺の大きなコンデンサ3本を交換します。DSCF9746.jpg 取り外したコンデンサはCHOYOという中国のメーカーのコンデンサ。2002年あたりに製造されたもので、やはり評判がよろしくない模様です・・・。
DSCF9873.jpg交換に使用するコンデンサはルビコンのMCZです。
16V 1500μFで10φの製品を利用します。
DSCF9866.jpg

サクッと交換完了。
DSCF9868.jpg

続いて、AGPスロット周辺の小さいコンデンサ4本とメモリスロット付近の2本を交換します。
若干の膨らみがあります。
DSCF9745.jpg
DSCF9744.jpg

交換に使用するコンデンサはサンヨーのWGで、依頼者様がご用意して下さいました。
サンヨーのコンデンサは高信頼で評判で、一昔前のマザーボードのVRMの一次側等、特に信頼性が要求される部分に使用されている事が多かったようです。
 今の固体コンデンサが主流になったマザーボードでは「SEPC」という固体コンデンサがよく利用されています。ちなみにサンヨーでは固体コンデンサの事を「OSコン」と称して販売しています。


DSCF9752.jpg交換後の様子
DSCF9754.jpg同じようにメモリスロット付近の2本も交換完了。
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