マザーボード修理 ~GIGABYTE GA-7VT600~


 今回のご依頼は、GIGABYTEの「GA-7VT600」になります。
このマザーボードは2003年発売のSocket Aマザーボードで、主にAthlon XPが載るマザーボードです。

 依頼者様によりますと「先日私のPCから電子臭がしましてその辺から動作が不安定になりまして、ケースを開けたところコンデンサーに液漏れと膨張したものがありました。」とのことでコンデンサの交換のご依頼を頂きました。

交換するコンデンサは以下の21本になります。

赤:6.3V 3300μF φ10 緑:6.3V 1200μF φ10 黄色 6.3V 1500μF φ8 水色 6.3V 1000μF φ8

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 さて、マザーボードをよく見てみますと、CPUすぐそばのコンデンサが派手に液漏れを起こしています。ここはCPUに電源を供給する回路のコンデンサであると思われる部分で、たしかにこのコンデンサがこれだけ液漏れを起こしていれば不安定になってしまうのも頷けます。

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 CPU周辺のコンデンサ。他にも膨張を起こしているコンデンサが2本ほど見られます。それにしても、当時は「消費電力が多い」とか「発熱がものすごい」といわれたAthlon XPでさえ、これだけ少ない本数のコンデンサで賄えてしまうところを見ると、現代のCPUが如何に電力を食い、電源に対してシビアであるかよくわかりますね。
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メモリスロット周辺のコンデンサです。6.3V 1000μFのニチコンHM(写真右下)が若干膨らんでいます。しかし、この時代のニチコンHMはすぐに液漏れを起こしてしまうことで知られていますのでこの周辺もすべて交換してしまいます。
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 拡張スロット付近に多数ある6.3V 1000μFのニチコンHM。この時代のギガバイトのマザーボードでは、メモリスロットや拡張スロット周辺にニチコンHMが多数使われています。もちろん膨張していない物もすべて交換します。
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交換に使用するコンデンサ。定番のサンヨーWGになります。
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CPU周辺のコンデンサを交換したところです。
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つづいてメモリスロット周辺のコンデンサも交換。
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最後に拡張スロット周辺のコンデンサをサクっと交換して完了です。
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マザーボードは8月16日を以て、依頼者様の元へと返送されました。
その後動作確認の画像と共にコンデンサ交換後のPCの調子についてコメントを送って下さいましたのでここで掲載させていただきます。
笨ゥ交換していただいて気づいたこと。(PC起動して変化を感じたこと)
やはり電源系コンデンサーの交換をしていただいたので
画面の表示がやや明るくシャープになったと感じました。
・itunesなどの音楽を再生して音色と解像度に変化がありました、この変化が顕著ですね。
USB DACを通してJBLのデスクトップスピーカーを使っているのですが、交換前よりも個々の楽器がより明瞭に聴こえることと音色自体がやや高域寄りになったと感じます。
これはエージング後どのように変化してくるのか楽しみな部分であります。

これでこのPCは心機一転永く使用できそうです。
ありがとうございました。
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DMMアフィリエイトのリンク作成ツールをバージョンアップしました。


当サイトで公開しております、「DMMアフィリエイトのリンク作成支援ツール」ですが、本日若干の改良を加えました。

従来はテキストリンクかイメージリンクのいずれかしか作成できませんでしたが今回新たに「イメージ+商品説明テキスト」というスタイルでアフィリエイトリンクを作成する機能が追加されました。

dmmlinktool.png

なお生成されるリンクの見た目はスタイルシートでカスタマイズ可能となっております。
外枠の色を変えたい、テキストの大きさや色を変えたい、などの要求にはできるだけ応えられるようになっております。

非AFTなHDDを今更ですが買ってみました。


ご存じの通り、現在HDDは1TBや2TBといった大容量の製品が一万円を切る値段で買えたりしてコンピュータユーザーにはウハウハな状況ですが、実はXPユーザーには罠があります。

現在出回っているHDDの多くは「AFT」(正確にはBigSectorと呼ばれる)という規格でフォーマットされており、このAFTでフォーマットされたHDDをXPでそのまま使うとパフォーマンスが低下するといった現象が発生します。

Windows VistaやWindows 7などはAFTに正式に対応しており、こういったパフォーマンスの低下は無いようですが、残念ながら私はAFTに正式対応したOSを使っておりませんので、今更ですが非AFTのHDDを買ってみました。

なお、AFTで物理フォーマットされたHDDでもジャンパピンを設定したり専用のツールで再アライメントを行うことによりAFT非対応なOSでもパフォーマンスを落とすことなく利用できるそうです。

というわけで、今回購入した物はコレです。HGSTの「HDS5C3020ALA632」現在では貴重な非AFTなHDDです。(それにしても長すぎる型番ですな)

回転数が5940rpmということで、現在出回っている7200rpmよりも回転数は劣りますが、そもそもデータ置き場&バックアップ用に購入したためスピードはあまり重視しないのと、HDDの温度が上がるのは精神的によろしくないためこれで満足です。
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ベンチマーク

さっそくベンチマークを取ってみました。

HDS5C3020ALA632_Benchmark.png

 シーケンシャルアクセスはデータ倉庫用としては十分過ぎる程速い数値が出ています。問題は極端に低い4Kブロックのランダムアクセス。可動部品を使ったHDDの宿命でしょう。OSの起動時間やアプリの起動時間はこの4Kブロックのランダムアクセスが大いに影響するそうです。これ以上の向上を望むのならSSDを買うしかありません。
今更HDDという気もするけど
 現在はSSDなどの高速な記憶装置が普及し始めていますが、ギガバイト単価で考えるとHDDの安さはやっぱり魅力的です。
おそらくSSDがいまよりもずっと安くなり、容量もそれなりに大きくなったら私もSSDに移行するかと思いますが、今のところはHDDで十分です。

マザーボード修理 ~ASUS KFN32-D SLI~


 今回のご依頼はASUSのKFN32-D SLIのコンデンサの交換です。
このマザーボードは2006年に発売されたハイエンドサーバ・ワークステーション用のマザーボードで、Socket F対応CPU(主にAMD Opteron)がデュアルで搭載できるハイスペックマザーです。

 依頼者様曰く、「このマザーボードはドスパラから発売されているdigistremaというDAW専用PCに使われていた物で、一週間ぐらい前から突然フリーズするようになり、HDDやメモリをチェックしてみた物の異常は見られず、ドスパラに修理依頼をしたがすでに廃盤になってしまったマザーボードのため修理を引き受けられない旨を告げられた。中を開けて見ると液漏れこそ見られない物のいくつかのコンデンサが膨張していた」とのことでコンデンサの交換のご依頼を頂きました。

 同時に、予防処置として膨張していないコンデンサもすべて交換してほしいとのことで、38本のコンデンサの交換となりました。

 参考までに依頼者様からお送りいただいた画像を掲載させていただきます。ごらんの通りハイスペックマザーにふさわしく固体コンデンサが使われていますが、コスト削減のためか液体コンデンサも併用いられています。さて、この液体コンデンサ、日本ケミコンの「KZG」です。私は個人的に知り合いのPCのコンデンサなんかも交換したりするのですが、日本ケミコンのKZGは例外なく膨張しています。よって、KZGは日本のメーカーのコンデンサの中でもとくに膨張しやすいように思われます。(メーカからもデータシートが削除されて無かったことにされているようですし・・・)
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 さて、交換するコンデンサは以下の38本になります。基本的にマザーボード上にある日本ケミコンのKZGはすべて交換対象とします。

赤:6.3V 820μF 黄色:6.3V 1500μF 緑:6.3V 1000μF 水色:16V 470μF、サイズはすべてφ8です。

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拡張スロット周辺に多数あるKZGはどれも膨張していないように見られますが、依頼者様のご希望通りに交換します。

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問題の箇所はここ。チップセット周辺のKZG2本が膨らんでいます。

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 コンデンサを取り外した後のマザーボードの様子です。写真では拡張スロット周辺のコンデンサは膨張していませんでしたが、取り外してみると基盤に茶色い染みのようなものが見られます。コンデンサの下部から漏れ出した電解液の痕跡なのでしょうか・・・。おそらく膨張していない物も含めてKZGをすべて交換するという判断は正解だったようです。

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交換に使用するコンデンサ。すべてサンヨーWGですが今回は大量にあります。

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チップセット付近のコンデンサの交換が完了しました。

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拡張スロット周辺のコンデンサも交換が完了。

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 今回は鉛フリーハンダを用いたマザーボードということで、半田ごての温度を常時高温に設定したこと、交換本数が38本あり、若干時間がかかってしまったということもあり、最後の4本を交換する前にコテ先がボロボロになってしまい、コテ先を新品に交換するというハプニングがありましたが結果として38本すべてを無事交換できました。

 このマザーボードは本日午後10時を以て、依頼者様の元へと返送されました。

マザーボード修理 ~DELL Dimension 4500c 4台目~


 今回のご依頼は、毎度お馴染みDELLのDimension 4500cです。

 依頼者様曰く、「パソコンの動作が極めて不安定で、1時間に1回の割合で勝手に電源が落ち再起動されるため、中を調べてみたところ十数本のコンデンサが液漏れを起こしていた。自分で交換に挑戦したが失敗してしまいさらに不安定になってしまったため改めて交換をお願いしたい」とのことでご依頼を頂きました。

交換するコンデンサは以下の19箇所になります。

赤:6.3V 1500μF φ8(諸事情により2200μFに交換) 緑:6.3V 3300μF φ10 紫:16V 1800μF φ10 水色:6.3V 1500μF φ8 黄色:6.3V 1000μF φ8
IMGP0959.jpg さて、依頼者様がどのように交換が失敗したのか、こちらで調べてみました。すると次の写真のように玉ハンダができており、さらに加熱しすぎたためかスルーホールが破損していまったような痕跡が見られました。

 CPU周辺の電源用コンデンサ1500μF 11本のうち、3本がうまく接続されていないようです。

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 そこで改めて依頼者様と連絡を取り、1500μFのコンデンサを2200μFに変更し、生きているスルーホールだけでなんとか必要な容量を賄ってみる、という案を提案させて頂きました。快くOKを頂き、コンデンサの交換を行うことになりました。
ところが!
いざ交換に失敗したコンデンサを取り外し、基盤を洗浄してみると、なんとスルーホールは壊れていませんでした!
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 そこで、当初の計画では2200μFのコンデンサを8本取り付ける予定でしたが、スルーホールが生きていたため11本の取り付けへと変更しました。もともとのDimension 4500cの構成よりも容量アップです。
 というわけで、CPU周辺の1500μF 11本を2200μF 11本(ニチコンHM)へと交換しました。なおいつもならサンヨーのWGを利用するのですが、今回は諸般の事情により2200μFのサンヨーのWGが入手できませんでしたのでニチコンHMを利用しました。
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 CPU電源1次側(入力側)の16V 1800μF 3本は元々日本ケミコンのKZGが取り付けられていました。こちらのコンデンサは膨張を起こしていませんでしたが、日本のコンデンサにもかかわらず何かと液漏れを起こしやすいKZGということと、使用年数を考えて相当劣化していると思われたため、ルビコンのMCZへと交換、さらにCPU脇の6.3V 3300μFはサンヨーWGへと交換しました。
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 メモリスロット側の6.3V 3300μFをサンヨーのWGへ、6.3V 1000μFをルビコンMCZへ、6.3V 1500μF×2本をニチコンHMへそれぞれ交換。
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半田付けの仕上がりはこんな感じです。
IMGP0972.jpg 今回は、様々なメーカのコンデンサを用いましたが、在庫の問題で部品の入手が納期内に困難であったためであり、すべてサンヨーのWGを用いても問題ありません。
 さて、コンデンサを交換したマザーボードは依頼者様の元へと返送されました。
依頼者様に動作確認をお願いしたところ、次のようなご報告を頂きました。
無事に起動でき、修理前に発生していた「突然電源が落ちて再起動になる」といった現象も発生しなくなりました。
かげさまで完全に復活できたようです。
本当に助かりました。ありがとうございました。


マザーボード修理 ~AOpen i975Xa-YDG~


 続いてのご依頼は AOpenのi975Xa-YDGです。
 このマザーボードはモバイル向けのCore DuoやCore 2 Duoを載せられるマザーボードで、省電力なPCを組みたい方にはぴったりなマザーボードです。さて、依頼者様曰く「4年前に購入したマザーボードが起動しなくなり、中を開けて見たところCPU周辺のコンデンサに液漏れが見られたため交換をお願いしたい」とのことでご依頼を頂きました。
交換するコンデンサは以下の12本です。
赤:4V 680μF 8φ

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 CPU周辺のコンデンサ6本。CPUの電源回路にしては680μFが6本のみと、容量が少ない気がするのですが元々省電力なモバイルCPUを対象にしているからでしょうか。
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 その他の液漏れコンデンサもCPU周辺のものと同じく4V 680μFの物で、ルビコンのMFZというモデルなのですが、ルビコンのサイトを見てもデータシートが発見できませんでした。
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 メモリスロット付近の2本のMFZ。こちらは液漏れを起こしていませんが予防処置として交換対象とします。
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 使用するコンデンサ。サンヨーのWGですが、耐圧は若干高めの6.3V、容量も少し大きめで820μFの物を使います。
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CPU周辺のコンデンサを交換し終えたところです。
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続いて拡張スロット周辺の4本、
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メモリスロット付近2本を交換します。
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取り外したコンデンサ。2006年5週目製造のルビコンMFZでした。
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マザーボード修理 ~FIC VC-31 3枚目~


 今回のご依頼はFIC社のVC-31です。これで3枚目になります。
VC-31は主に拡張スロット周辺の小さなコンデンサが液漏れを起こすようなのですが、今回は依頼者様のご希望により膨張、液漏れを起こしていないCPU周辺のコンデンサも予防処置として新品のコンデンサに交換しました。

 交換するコンデンサは以下の23本になります。

緑:16V 1800μF 10φ 赤:6.3V 1500μF 8φ 水色:10V 1000μF 8φ

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 CPU周辺のコンデンサ。ここには高品質なサンヨー製コンデンサが使われており、固体・液体のハイブリッド構成となっております。このうち液体コンデンサに関しては、まだ問題を起こしていないものの製造時期や使用年数から考えて容量抜けなどの劣化がか考えられるため新品に交換します。

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VC-31で主に問題を起こすコンデンサは拡張スロットの付近にある小さいコンデンサです。

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また、メモリスロット付近にあるコンデンサも同様に液漏れを起こしています。

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交換に使用するコンデンサはいずれもサンヨーのWG。

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CPU周辺のコンデンサを交換。元々のコンデンサもサンヨーだったこともあり交換後の見た目も変わりません。

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問題のある拡張スロット周辺のコンデンサをさくっと交換します。
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最後にメモリスロット付近の2本の液漏れコンデンサを交換して完了です。
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取り外したコンデンサ。主に液漏れを起こしていたのは「S.I」と書かれた謎のメーカーのコンデンサでした。
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初代iPodのバッテリーを交換しました。


 本日は、今から10年前に購入した初代iPodのバッテリーを大容量の社外品と交換してみました。

壊れたと思った初代iPodが壊れていなかった件

 実は、5年ほど前に私の初代iPodが動かなくなりました。それまでMacで使っていた初代iPodをWindowsで使おうと再フォーマットし、Windowsマシンに接続するもブルースクリーンが多発、そしてついにはiPodを認識しなくなるどころか充電さえできない状態になったのです。これはもうiPodそのものが壊れてしまったんだと思い、そのまま5年ほど放置していました。

 しかし、最近ふとiPodをiMacに繋いで見たところ認識するどころか曲の同期までできるではないですか。どうやらハードウェアは全く壊れていませんでした。

 では何が壊れていたのか。それは、iPodに付属のFirewireケーブルです。これが内部で断線していたらしく、Windows上でiPodを同期する際にブルースクリーンが多発していたのです。

 それにしてもiPod発売当時の衝撃はすさまじいものがありました。なにしろそれまで私は音楽を外に持ち出す際にはポータブルCDプレーヤー+CD-Rという組み合わせでしたから(MDにはいまいち魅力を感じなかったため購入には至りませんでした)、1000曲も入って一瞬で曲を切り替えられる、それに振っても揺らしても音飛びしないiPodの登場に非常に興奮したものです。当然私は発売日に衝動買いしていしまいました。

 しかしさすがに10年前に発売された製品です。バッテリーはへたっており、10分も曲の再生をすればバッテリー切れに。

Appleのバッテリー交換サービスではもう受けつけてもらえないようだった。

 そこではじめに考えた事はAppleのバッテリー交換サービスを利用するということです。ご存じの通りAppleは古くなったiPodのバッテリー交換サービスを行っています。実はこれ、申し込むとバッテリーどころか本体まで新品になって返ってくるという素敵すぎるサービスなのですが、申し込むには本体のシリアル番号が必要です。

 試しに私のiPodのシリアル番号を打ち込んでみたところ・・・。

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 「シリアル番号が見つかりません」出てきました。さすがに発売から10年も経っているとサポート期間も過ぎてしまったようです。

大容量が魅力の社外品バッテリー

この際ですから社外品の大容量バッテリーに換えてみることにしました。

 今回入手したのは「Pod 1G&2G用 互換バッテリー2200mAh」 元々iPodに入っていたバッテリーは1200mAHですから8割近い容量アップです。私はここのショップで購入したのですが現在売り切れてしまっているようです。
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 このセットにはバッテリーのほかにiPodを分解するための工具が付属しています。
バッテリーは思いの外柔らかかったのでびっくりしました・・・。
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 付属の工具をiPodの隙間に差し込み、iPodの周りをぐるっと一周させます。すると裏蓋がカパっと外れます。なお工具の差し込みには予想以上に力がいります。
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 裏蓋を開けたところ。元々もバッテリーはソニー製でした。
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 バッテリーはハードディスクのすぐ上にゴム版で接着されています。
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 コネクタの取り外しにはそれほど力は要りませんでした。
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 新しいバッテリーをセットしたところ。
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 見事完全復活を遂げた初代iPod。
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 この機会ですから、iPod touchと比べてみます。
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厚さの比較

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 初代iPodを若い人に見せると「ありえないぐらい分厚い!」という反応が返ってきておもしろいです。

 それにしても、改めて初代iPodを使ってみると、フラッシュメモリベースのiPod touchに慣れてしまった身としては、曲を選んでから再生されるまでの「間」がえらく長く感じました。曲を選んで再生ボタンを押すと「キュイーーーン」とハードディスクが回り出してしばらくしてから曲の再生が始まるのです。購入当時はそんなに気にならなかったのですが、慣れとは恐ろしいものですね。

マザーボード修理 ~AOpen AX3S MAX~


 今回のご依頼はAOpenのAX3S MAXになります。懐かしいSocket 370のマザーボードです。
 AOpenのマザーボードは私も思い入れがとても深く、初めてパソコンを自作したのが今から10年前。そのときに購入したマザーボードがAOpenのAX3SP Pro-UというSocket 370のマザーボードでした。初自作でしたのでできるだけ安く組もうと思い、書き込み機能も付いていない単なるCDドライブとCeleron 1.2GHz、電源付きの安物ケース、家にあった中古のHDDを組み合わせてでパソコンを組みました。無事組み終えて不安と期待が入り交じる中、電源を投入して無事BIOSの画面を拝めた時はあまりにも感動してしまったのを今でもはっきりと覚えています。

 閑話休題。さてこのマザーボードもSocket 370の古いマザーボードで、2002年製造のものです。当時はコンデンサの液漏れ問題がまだ表に出ていなかった頃もあり、台湾製コンデンサがこれでもか、という程使われていました。このマザーボードも主要な部分にはLelonのコンデンサが使われており、26本中22本が液漏れを起こしておりました。

 今回は液漏れを起こしていない4本も含めLelonのコンデンサ26本をすべて交換します。

赤:6.3V 2200μF 10φ×11本 緑:6.3V 1000μF 8φ×11本 水色:16V 680μF 8φ×4本

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 CPUのVRM部分。大変負荷がかかる回路ですが、ここもLtecのコンデンサが主です。当然液漏れを起こしています。この頃のマザーボードはCPU専用の12V端子が無く、直接ATX電源のメインコネクタからCPU用の電源を給電するようなのですが、ここのVRMには比較的新しいマザーボードで使われている16Vの入力側コンデンサが無い事を見ると、CPUの電源は5Vから生成されていたのかな? と思いました。IMGP0701.jpg

 メモリスロット周辺のコンデンサも負荷がかかる部位であります。当然ここのコンデンサもこのように膨らんでいます。
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 6.3V 1000μFなどの小さいコンデンサ群。通常PCIスロットやAGPスロットの周辺に配置されていますが、ここのコンデンサもやはりよく膨張を起こします。
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 サウスブリッジ周辺。膨張はしていませんでしたが、Lelonのコンデンサが使われていたということもあり、こちらもすべて交換対象にします。
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交換に使用するコンデンサ
6.3V 2200μF 10φ×11本
10V 1000μF 8φ×11本
16V 680μF 8φ×11本
すべてSUNCONのWGです。PCI/AGPスロット周辺の元々のコンデンサは6.3V 1000μFでしたが、今回は若干耐圧が高い10V品を用います。
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CPU周辺のコンデンサを交換したところです。やはりピカピカの新品コンデンサは良いですね。
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メモリスロット周辺のコンデンサの交換も完了。
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AGPスロット周りと、
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PCIスロット周りのコンデンサを一気にさくっと交換しまして、
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最後にサウスブリッジ周辺のコンデンサを交換して完了です。
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取り外したコンデンサ。Lelon製。どれもボロボロに液漏れを起こしておりました。
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 コンデンサを交換したマザーボードは7月23日を以て、依頼者様の元へと返送されました。

Slingbox Soloのコンデンサ交換


 今回のご依頼はマザーボードではなくSlingboxと呼ばれる映像機器のコンデンサの交換です。

Slingboxというのは米国Slingmedia社の製品で、家庭で受信したテレビの映像をインターネット経由で視聴できるようにする装置です。つまりはネット環境さえあればテレビ番組をどこでも視聴可能にすることができます。素晴らしい!

 ところがこの製品は、依頼者様に教えていただいたサイト(https://placeshiftingenthusiasts.com/slingbox-solo-freezing-stuck-optimizing-losing-connection-check-the-capacitors/)によりますと、コンデンサの膨張や液漏れによるトラブルが多発しているらしく、起動しなくなったりネットに接続できなくなるなどのトラブルが発生するようで、主に台湾G-LUXON社製のコンデンサが膨張を起こすとのことです。

フロントパネル

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リアパネル。映像機器らしく各種入出力端子が並んでいる。
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Slingboxの分解

 Slingboxを分解するには本体底部の4つのゴム足を剥がす必要があります。また底部中央のシールも中央から切断する必要があります。なおこのシールを剥がすことによりメーカーの保証は受けられなくなります。
 ゴム足を取り外すとネジが4カ所見えますのでそのネジを外します。
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 底部パネルを取り外すと、基板が出てきます。基板を固定している5本のネジを外すことにより基板を取り外せます。
IMGP0678.jpg何者かによる改造の痕跡が・・・

 基板を取り外したところです。以下3カ所のコンデンサの交換を行います。

が、しかし! 基板を見てみたところすでに何者かによってコンデンサの交換が行われた痕跡がありました!
まず、本来ならG-LUXONのコンデンサが使われているはずの箇所が既にサンヨー製と日本ケミコン製のコンデンサになっていました。
緑:25V 220μF×1本  赤16V 470μF×2本
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 また、下の写真を見ていただくとわかると思うのですが、液体状のものが基板に付着しているのが見えると思います。これはフラックスといって、通常半田の中に含まれているものなのですが人間が半田付けをした場合、このフラックスが半田付けを行った箇所の周辺に写真のようにこびりつく事があります。この基板も例外ではなく、フラックスがコンデンサの足の周りにべっとりと付着していました。これは明らかに人間の手により改造が加えられた痕跡です。
 ところが、本体底部の保証シールは破られていませんし、いったいどのようにコンデンサの交換を試みたのかわかりません。ひょっとしてメーカーの仕業なのでしょうか。
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 なにはともあれ、依頼者様にはコンデンサ交換のご依頼をいただいているわけですので、問答無用で新品のコンデンサに交換します。
 交換に使用するコンデンサは、25V 220μF 8φ × 1本、25V 470μF × 2本になります。 元々の470μFのコンデンサは16Vの物でしたが、依頼者様の要望で25Vか35Vの物に変えて欲しいとのことでしたので、直径が16V品と同じ25V品を使用しました。いずれのコンデンサもSANYO WGです。
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 無事コンデンサの交換を終えたところです。今回は本数が少ない事と、基板が熱を分散しなかった事もありスムーズに交換が行えました。
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 ちなみに当方での半田付けの仕上がり具合はこんな感じです。IMGP0696.jpg
 取り外したコンデンサ。海外フォーラムで報告されているようなG-LUXONのコンデンサではなく、日本製のコンデンサが使われていました。IMGP0695.jpg
 無事にコンデンサの交換を終えたSlingboxは依頼者様の元へと返送されました。
現在動作確認の結果待ちです。